『虎に翼』週別あらすじ・ネタバレ
『虎に翼』第13週のあらすじ(俯瞰)
『虎に翼』第13週「女房は掃きだめから拾え?」は、第61回から第65回までの5話です。昭和24年の春、寅子は特例判事補となり、家事部の審判も担当することになります。そこへ妾を名乗る元山すみれが、亡くなった大庭の遺言書を手に相続の相談に訪れます。やがて家裁に現れたのは、明律大学時代の友・梅子の一家でした。徹男の遺産をめぐり、長男・徹太、姑・常、三男・光三郎、そして妾のすみれが入り乱れて争います。寅子は調停の場で家族の本音と向き合い、梅子は最後に重い決断を下します。一方で多岐川と寅子はラジオに出演し、家庭裁判所を世に広める「愛のコンサート」の準備も大詰めを迎えます。よねや轟、梅子それぞれにも想定外の事態が訪れる週です。
第61回(6月24日・月)妾・元山すみれが遺言書を手に家裁を訪れる
昭和24年の春、寅子は特例判事補となりました。第61回は、その寅子のもとへ一通の遺言書が持ち込まれる回です。
特例判事補となった寅子の新しい立場
第61回の寅子は、弁護士修習と判事補の経験を併せ持つことから、特例判事補に任じられます。これは昭和23年に始まった、戦後の裁判官不足を補うための制度とされます。家事部の審判も受け持つことになり、寅子の仕事はいっそう忙しくなりました。法廷の外で家族の問題に向き合う家庭裁判所の役割が、寅子の新しい持ち場になります。
すみれが持ち込んだ「危急時遺言」
そこへ、元山すみれと名乗る女性が相続の相談に訪れます。すみれが差し出したのは、病で倒れた夫の遺産をすべて自分に渡すという内容の遺言書でした。寅子は故人の名に聞き覚えを感じます。すみれが持ち込んだのは、署名のできない危篤の状態で残されたとされる「危急時遺言」でした。証人3人以上の立ち会いと、口述の筆記・読み聞かせ・各証人の署名押印が必要になる、特別な形式の遺言です。すみれの語る「夫」が、寅子のよく知るあの人物につながっていきます。
すみれの相続話が、思わぬ人物の家庭へと結びついていく。第61回はその入り口を静かに描きます。
第62回(6月25日・火)家裁に現れたのは梅子一家
第62回は、すみれの相続話の相手が明らかになる回です。寅子は思いがけない再会を果たします。
梅子との再会
家裁に相続の当事者として現れたのは、明律大学で机を並べた友・梅子の一家でした。梅子は三男の光三郎とともに大庭家へ連れ戻され、病に倒れた夫・徹男の世話を10年にわたって続けてきたとされます。その徹男が亡くなり、遺産をめぐって梅子、姑、子どもたち、そして妾のすみれの間で争いが起きていたのです。学生時代の友が当事者として目の前に立つ展開に、寅子は言葉を失います。
偽造が疑われるすみれの遺言書
第61回ですみれが持ち込んだ遺言書には、早くも偽造の疑いがかかります。形式の不備や経緯の不自然さから、すみれが全財産を得るという主張は揺らいでいきます。妾という立場で大金を相続しようとしたすみれの思惑は、ここで早々に行き詰まることになります。問題の中心は、すみれの遺言書から大庭家そのものの相続争いへと移っていきます。
友の家庭の内側に踏み込んでいく寅子。第62回は再会の驚きと、その先に待つ難しさを描きます。
第63回(6月26日・水)大庭家の遺産相続が調停の場へ
第63回は、大庭家の相続争いがついに家庭裁判所の調停に持ち込まれる回です。家族それぞれの本音が表に出てきます。
長男・徹太の主張と姑・常の変心
大庭家の相続問題は当事者間で解決せず、調停の申し立てがなされます。梅子は息子たちが徹男の遺産を等分に分けることを望んでいました。ところが長男の徹太は、ほかの兄弟に相続を放棄するよう求めます。戦前の家督相続の考え方を持ち出す徹太に、場の空気は張り詰めます。当初は徹太の取り分に同意していた姑の常も、途中で考えを変え、三男の光三郎により多くを継がせたいと言い出します。
光三郎が母・梅子のために出した条件
常がそう望んだ理由は、光三郎に多く継がせれば梅子が大庭家に残り、これからも自分の世話を続けるという計算からでした。その本音を知った光三郎は、ただ従うのではなく条件を出します。祖母が母・梅子に意地悪をせず、命令もしないと約束するなら、多い取り分を受け入れるというのです。母を守ろうとする三男の言葉に、視聴者からは「見た目も中身もイケメン」という反響が集まりました。
家族の損得の裏で、ひとり母を思う息子の姿が際立つ。第63回は調停の難しさと温かさを同時に映します。
第64回(6月27日・木)梅子が相続も母も妻も手放す決断
第64回は、寅子の活躍の裏で、梅子が人生を左右する決断を下す回です。タイトル「女房は掃きだめから拾え?」の重さが、ここで突きつけられます。
寅子と多岐川のラジオ出演
寅子は上司の多岐川とともに、代議士の立花幸恵を交えてラジオ番組に出演します。家庭裁判所の存在と役割を、電波に乗せて世に伝える場面です。寅子の言葉で家裁の意義が広く知られるようになり、設立準備に奔走してきた多岐川たちの努力が形になっていきます。表の舞台で家裁が前へ進む一方、よね、轟、そして梅子は、それぞれ予想もしていなかった事態に直面していました。
梅子が下した重い決断
相続争いの果てに、梅子は驚くべき選択をします。遺留分という当然の権利を持ちながら、その相続を放棄し、さらに母としての立場も妻としての立場も手放して、毅然と大庭家を去る決断を下すのです。長年、家族のために尽くしてきた梅子が、ついに自分の人生を選び取る場面でした。平岩紙さんの鬼気迫る演技は「圧巻」と評され、梅子が壊れる寸前の心を見せる姿に多くの視聴者が胸を打たれたと報じられています。
尽くし続けた女性が、ようやく自分のために一歩を踏み出す。第64回は週のサブタイトルの問いに、静かな答えを返します。
第65回(6月28日・金)愛のコンサートの歌手が決まる
第65回は、家庭裁判所を世に広めるイベント「愛のコンサート」の歌手が決まり、第13週が締めくくられる回です。
歌手は茨田りつ子に決定
難航していた「愛のコンサート」の出演歌手が、ついに決まります。引き受けたのは歌手の茨田りつ子でした。ライアンこと久藤の旧知の間柄という縁から、出演が実現します。茨田りつ子は前作『ブギウギ』にも登場した人物で、菊地凛子さんが演じます。朝ドラ同士がつながる「朝ドラユニバース」として、放送前から出演者を推理する声が盛り上がっていました。歌手が決まり、寅子と多岐川はほっと胸をなで下ろします。
家庭裁判所が世に知られていく
「愛のコンサート」は、家庭裁判所を支えるBBS活動などの資金を集めるための催しとして描かれます。コンサートは成功へと向かい、家庭裁判所の存在が社会に広く知られていく流れを後押しします。なお、このコンサート自体はドラマの創作とされますが、当時の家庭裁判所が資金集めの催しを実際に開いていたことが下敷きになっているようです。寅子たちの地道な働きが、少しずつ世の中に届き始めます。
家族の争いの週から、家裁が世に羽ばたく週へ。第65回は次への弾みをつけて第13週を閉じます。
『虎に翼』第13週のネタバレまとめ
第13週「女房は掃きだめから拾え?」では、特例判事補となった寅子のもとに、妾・元山すみれが危急時遺言を手に相続相談に訪れ、その相手が学生時代の友・梅子の一家だと判明します。すみれの遺言書は偽造が疑われて早期に退場し、争点は大庭家の遺産分割へ移ります。長男・徹太の相続放棄要求、姑・常の変心、母を守ろうとする三男・光三郎の条件提示を経て、梅子は遺留分の放棄と、母・妻という立場そのものを手放して家を去る決断を下します。並行して寅子と多岐川はラジオに出演し、「愛のコンサート」の歌手に茨田りつ子が決まって、家庭裁判所が世に知られていきます。
『虎に翼』第13週──脚本の選択を読む
この週の脚本は、寅子が家裁で社会的に飛躍する明るい流れと、梅子が家を去る重い決断を、同じ第64回の表裏に配置しました。家庭裁判所が世に広まっていく公の物語の裏で、ひとりの女性が家のために削られ続けた人生を取り戻す。その対比に、サブタイトルの皮肉が効いています。「女房は掃きだめから拾え」という古い言い回しは、格下の家から妻をもらえという意味とされますが、第13週はその価値観に正面から疑問符を付け直したように見えます。梅子のモデルにあたる人物像は明示されていませんが、戦前の家制度に縛られた女性の生きづらさを、相続という具体的な法の場面で描き出した点に、本作らしい切り口がうかがえます。光三郎が祖母に出した「母に意地悪をしないなら」という条件も、損得の家族劇に一筋の救いを通す巧みな一手だったのかもしれません。

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