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『虎に翼』第21週「貞女は二夫に見えず?」ネタバレあらすじ感想

目次

『虎に翼』第21週のあらすじ(俯瞰)

『虎に翼』第21週「貞女は二夫に見えず?」は、第101回から第105回(2024年8月19日〜23日)にわたって描かれます。航一からのプロポーズを受けた寅子が、再婚そのものではなく「結婚という制度」に向き合う一週です。当時の民法では夫婦同姓が義務で、どちらかが姓を変えるしかありません。佐田の姓を手放すべきか、優三さんとの時間まで消える気がするのか。寅子は苗字をめぐって揺れ続けます。航一が佐田姓を名乗ると申し出ても、桂場や星家の事情が壁になります。轟の打ち明け話、3つの姓の自分が言い争う夢、夫婦別姓や事実婚への問いを経て、二人は婚姻届を出さない「夫婦のようなもの」という形を選びます。週末には直明が仕掛けたサプライズの結婚式が、寅子と航一を待っていました。

第101回(8月19日・月)寅子が航一に「結婚の意味が見出せない」と打ち明ける

第101回は、寅子が自分の言葉で誰かを傷つけたことに気づく回です。轟と遠藤への配慮を欠いた発言を反省しながら、寅子は航一へのプロポーズの返事を保留したまま、自分の本音と向き合います。

轟のカミングアウトと寅子の動揺

轟(戸塚純貴)から遠藤を紹介された寅子は、その関係の意味を受け止めきれず動揺します。経済的に自立していて子どもを持つ予定もない自分が、なぜ今さら結婚という形を取るのか。その問いが寅子の中で大きくなっていきます。寅子は航一からのプロポーズを報告しつつ、つい「結婚の意味が見出せない」と口にしてしまいます。それは轟や遠藤の置かれた立場を思えば、無神経にも響く言葉でした。

航一が語る「永遠を誓わない愛」

戸惑う寅子に対し、航一(岡田将生)は結婚観を静かに語ります。婚姻は永遠を誓うものではなく、民法上はいつでも協議離婚ができる関係でもある、という現実的な視点です。永遠を誓わないからこそ、その時々で選び直せる愛の形がある。航一らしい言い回しに、寅子は少しずつ「制度としての結婚」を直視し始めます。同時に、姓を変えることへの漠然とした不安も芽生えていきます。

結婚への高揚ではなく、制度そのものへの問いから週が始まります。次回、寅子の謝罪と轟の告白が物語を動かします。

プロポーズ回をときめきでなく「制度への疑問」から始めるのが、いかにも『虎に翼』らしい入り方だそうです。

第102回(8月20日・火)寅子が3つの姓の自分に責められる夢を見る

第102回は、寅子の内面が夢という形で可視化される回です。苗字をめぐる迷いが、寅子自身を映す鏡として描かれます。

「猪爪寅子」「佐田寅子」「星寅子」が言い争う夢

結婚すれば、寅子か航一のどちらかが姓を変えなければなりません。そのことに思い至った寅子は、夢の中で過去と未来の自分に取り囲まれます。学生時代の「猪爪寅子」、優三さんと結婚していた頃の「佐田寅子」、そして航一と結婚した先の「星寅子」。3人の自分が口々に意見をぶつけ合い、寅子は悲鳴を上げて目を覚まします。佐田の姓を手放せば、優三さんと過ごした時間まで消えてしまう気がする。寅子の迷いの核心が、ここで言葉になります。

轟への謝罪と、轟が打ち明けた本心

寅子は轟の事務所を訪ね、「結婚の意味が見出せない」という軽はずみな発言を謝ります。姓を変えることを今まで男女の問題としか見ていなかった、と寅子は省みます。これに対し轟は、自分の本心を打ち明けます。花江ではなく花岡(小林虎之介)への思いに気づいたのは、彼が亡くなった後だったこと。その言葉にできない苦しみを、よねと話せたことで乗り越えられたこと。轟は、法的な保障のない関係の難しさを、当事者の言葉で寅子に伝えます。

苗字の問題が、寅子個人の感傷から「制度と人」の問題へと開かれていきます。次回、航一が思いがけない提案を持ち出します。

3つの姓の自分が言い争う夢の演出は、視聴者の間でも特に印象的な場面として語られたようです。

第103回(8月21日・水)航一が「僕が佐田姓になる」と申し出る

第103回は、夫婦同姓という制度の壁が、登場人物それぞれの立場から立ち上がる回です。航一の申し出が、新たな問いを呼び込みます。

航一の提案と、星家・桂場の事情

寅子が佐田の姓を残したいなら、自分が佐田姓を名乗ってもいい。航一はそう申し出ます。当時の感覚では異例の発想ですが、星家の母・百合(余貴美子)はこれに難色を示します。さらに、裁判官として判決文に署名する航一が姓を変えることには、桂場(松山ケンイチ)も反対の立場を取ります。寅子が「星」姓になっても仕事の場で「佐田寅子」を名乗り続けられるかを相談すると、それもあっさり退けられてしまいます。どちらが姓を変えても、どこかに無理が残るのです。

「それぞれ自分らしく」という結論への糸口

制度の中だけで答えを探しても出口が見えません。寅子と航一は、轟の事務所での対話などを通して、姓のどちらに合わせるかという発想そのものを問い直していきます。二人とも、それぞれの名前で、それぞれらしく生きればいい。その糸口が、ようやく見えてきます。家族の形は、制度に合わせるものではなく、自分たちで決めるものなのかもしれません。

姓の押し付け合いから、「制度に縛られない選択」へと話が動きます。次回、航一が具体的な形を示します。

第104回(8月22日・木)航一が「婚姻届を出さない」事実婚を提案する

第104回は、二人がたどり着いた答えと、星家への引っ越しが描かれる回です。「結婚をやめよう」という言葉が、思いがけない方向へ転がります。

「夫婦のようなもの」という選択

航一は寅子に、いったん結婚をやめようと告げます。ただしそれは別れではありません。婚姻届を出さず、互いの遺言書を夫婦の契約書のように交わして、法的な「夫婦」にはならないまま家族になる。航一はそう提案します。寅子はこの「夫婦のようなもの」という形を受け入れます。姓を変えずに、それぞれの名前のまま、互いを支え合う。当時の制度が用意していなかった選択肢を、二人は自分たちの手で作り出します。

星家への引っ越しと優未の進学

優未(毎田暖乃)の中学進学に合わせて、翌春から寅子たちは星家へ引っ越すことになります。家族の暮らしが新しい段階へ進む一方で、寅子と航一は届けを出さない関係を選びます。形式は整わなくても、暮らしと心は確かに重なっていく。事実婚という選択が、二人の生活の中に静かに根を下ろしていきます。

制度の外に答えを見つけた二人を、次回、思いがけない祝福が待っています。

「結婚をやめよう」が別れでなく事実婚の提案だったという展開に、ほっとした視聴者が多かったようです。

第105回(8月23日・金)法服姿の仲間が寅子と航一の結婚式を開く

第105回は、週のサブタイトルの問いに、仲間たちが祝福で答える回です。届けを出さない二人のために、サプライズの式が用意されます。

直明が仕掛けた「結婚式」

寅子が航一とともに店「竹もと」へ向かうと、そこにはスーツ姿の直明(三山凌輝)の姿がありました。直明が涼子へ手紙を出したのをきっかけに、みんなで連絡を取り合って実現した結婚式です。届けを出さない「夫婦のようなもの」を選んだ二人を、誰よりも近くで見てきた家族と仲間が祝おうとしていたのです。寅子も航一も、思いがけない光景に言葉を失います。

法服姿の仲間と判決文形式の祝福

よね(土居志央梨)、涼子(桜井ユキ)、梅子(平岩紙)、香子、玉(羽瀬川なぎ)、轟、そして明律大学女子部の同期である久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)たちが、次々と法服姿で店内に入ってきます。法を学び、法と向き合ってきた仲間たちが、判決を言い渡すように、それぞれの姓のままでの二人の関係を認め、祝福します。制度が認めない形を、最も法を知る人々が祝うという逆説が、この場面の核心です。第21週「貞女は二夫に見えず?」という問いは、ここで温かくひっくり返されます。

制度に収まらない愛を、仲間たちが「判決」として祝福する。第21週は、その一場面で締めくくられます。

法を学んだ仲間が法服姿で「判決」のように祝う結婚式は、本作屈指の名場面として後年も語り継がれているようです。

『虎に翼』第21週のネタバレまとめ

第21週「貞女は二夫に見えず?」は、寅子が航一のプロポーズを通して「結婚という制度」と向き合う一週でした。当時の民法が義務づけた夫婦同姓のもとで、佐田の姓を残すか、星の姓を選ぶかに寅子は揺れます。航一が佐田姓を名乗る申し出も、星家や桂場の事情で行き詰まります。3つの姓の自分が争う夢、轟の打ち明け話を経て、二人は婚姻届を出さない「夫婦のようなもの」=事実婚を選びました。翌春には優未の進学に合わせて星家へ引っ越します。そして第105回、直明が仕掛け、よねや涼子ら仲間が法服姿で集う結婚式が、判決文のように二人を祝福します。制度の枠を超えた家族の形が、温かく肯定された週です。

『虎に翼』第21週──脚本の選択を読む

制作統括は、本作が朝ドラとして夫婦別姓や同性婚といったテーマに踏み込んだ理由を、視聴者が婚姻制度を「何か考えるきっかけになれば」と語ったと報じられています。第21週はその意図が最も濃く出た週かもしれません。脚本は、寅子の再婚を「めでたしの結婚」で終わらせず、姓・届け・法的保障という制度の細部を一つずつ俎上に載せます。佐田姓を残したい寅子の感情を、優三さんとの時間という個人史に結びつけたのも巧みな選択でしょう。轟という当事者を並走させたことで、制度の問題が寅子個人の感傷に閉じず、広がりを持ったように思えます。そして法服姿の仲間が「判決」で祝う結末は、制度が認めない形を、法を知る人々が肯定するという逆説でした。実在のモデルとされる三淵嘉子さんが再婚で夫の姓を名乗ったと伝えられる史実とは異なる、ドラマならではの選択だった点も見逃せません。

モデルの三淵嘉子さんは再婚で夫の姓を名乗ったと伝えられており、ドラマの「事実婚」はあえての創作だったようです。
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