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『虎に翼』第20週「稼ぎ男に繰り女?」ネタバレあらすじ感想

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『虎に翼』第20週のあらすじ(俯瞰)

第20週「稼ぎ男に繰り女?」は、新潟から東京へ戻った寅子(伊藤沙莉)の新生活と、二つの「家族の形」が同時に動き出す週です。寅子は航一(岡田将生)と、結婚という制度に縛られない「永遠を誓わない愛」を選び、優未(毎田暖乃)を連れて星家を初めて訪れます。歓迎の裏で、継母・百合や子どもたちの胸中は揺れたままでした。新しい家族が一足飛びに一つになるわけではない、その繊細な距離感が前半の見どころです。

一方、東京地裁に戻った寅子には「原爆裁判」を担当する民事第二十四部の辞令が下ります。第五福竜丸事件を背景にした、戦後日本の重い問いです。週の後半では舞台が猪爪家に移り、弟・直明(三山凌輝)の結婚と同居をめぐって花江(森田望智)と意見がぶつかり、婚約者・玲美(菊池和澄)の「お試し同居」という提案で週は閉じます。仕事と家庭、その双方で「これからの形」を手探りする5日間です。

第96回(8月12日・月)寅子が優未に「永遠を誓わない愛」を告げる

第20週の幕開けは、寅子と航一が登戸の猪爪家へ戻り、二人の関係が大きく前に進む回です。週サブタイトル「稼ぎ男に繰り女?」が示す古い役割分担と、寅子たちが選ぼうとする新しい関係が、最初から静かに対比されます。

優未への報告と海辺の時間

寅子は優未に向かって「お母さんね、よーーく考えた結果、星航一さんとお付き合い……永遠を誓わない愛を試してみることにしました」と打ち明けます。優未はためらわず「うん、わかった」と返したと伝えられています。母の選択を、子どもが子どもなりに受け止める短いやり取りに、二人がこれまで重ねてきた時間がにじみます。

直後には、キラキラ光る海で優未・寅子・航一の三人が水と戯れる場面が描かれました。結婚という制度に縛られず、それでも一緒にいることを選ぶという、寅子らしい関係のあり方がここで形になります。「永遠を誓わない」という言葉は後ろ向きな響きを持ちかねませんが、本作ではむしろ、互いを縛らずに添い続けるという前向きな選択として描かれている点が特徴的です。

東京地裁への辞令と航一の招き

寅子は昭和30年の新年度から東京地裁へ赴任することが決まり、新潟で世話になった人々に東京へ戻る報告をします。新潟編で関わった人々との別れを丁寧に挟むことで、寅子の生活の場が再び東京へ移ることが視聴者にも実感として伝わります。

航一は「あちらに戻って落ち着いたら、ぜひ二人とも家にいらしてください。家族を紹介したいので」と伝えたとされます。この一言が、続く第97回で寅子と優未が星家を訪ねる流れを呼び込みます。仕事の場が東京へ戻ると同時に、星家という新しい関係の入り口が同じ回で示されるのが第96回です。週サブタイトル「稼ぎ男に繰り女?」が描こうとする古い家族観と、寅子たちが選ぶ新しい関係が、最初の回から静かに並べられています。次回、寅子と優未は航一の家族と初めて顔を合わせることになります。

「永遠を誓わない愛」という言葉が、放送当時SNSでよく話題になっていたそうです。結婚の形をあえて選ばない描き方が新鮮だった、という声が目立ちました。

第97回(8月13日・火)寅子と優未が星家を訪ね食卓の空気が変わる

第97回は、寅子と優未が初めて星家へ足を踏み入れる回です。前回の航一の招きを受け、二つの家族が向き合う最初の場面が描かれます。表向きの歓迎と、その奥にある複雑な感情のずれが、この回の見どころです。

東京地裁での再会と多忙な日々

東京に戻った寅子は、桂場(松山ケンイチ)、久藤(沢村一樹)、多岐川(滝藤賢一)ら、かつて家庭裁判所の立ち上げをともにした面々と再会します。山積みの仕事に追われながらも、寅子は再び見知った場所で法律家としての歩みを進めていきます。新潟という一時の舞台を経て、物語が再び東京の司法の現場へ戻ってきたことが、この再会の場面ではっきりと示されます。

航一との交際も順調に続いており、寅子は優未を連れて航一の家を訪ねることになります。仕事の再始動と私生活の進展が同じテンポで並走していく構成は、公私を切り分けずに描こうとする本作らしい運びです。

百合・朋一・のどかとの初対面

星家では、航一の継母・百合(余貴美子)、長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕真花)と対面します。寅子と優未は、ひとまず家族から心からの歓迎を受けました。新しい家族の輪に迎え入れられる、穏やかな滑り出しに見えた時間でした。

ところが食事の席で、空気が一変します。寅子が、航一と出かけた三条の祭りがどれほど楽しかったかを無邪気に語り始めると、星家の家族は一様に複雑な表情を浮かべ始めたのです。亡き人をめぐる家族それぞれの記憶や、新しく加わる寅子への割り切れない思いが、言葉にならないまま食卓に広がります。とりわけ、まだ母を失った悲しみを抱える子どもたちにとって、父の新しい交際相手をすぐに受け入れることは簡単ではありません。歓迎の言葉の裏で各人の本心が見えないまま、関係は次の段階へ持ち越されます。新しい家族が一足飛びに一つになるわけではない、その難しさを丁寧に置いたのが第97回です。

のどか役の尾碕真花さんが、星家の感情が噴き出す場面で号泣の芝居を見せたことが後に取り上げられていました。歓迎ムードからの空気の変化が丁寧に描かれた回でした。

第98回(8月14日・水)寅子が民事第二十四部で原爆裁判を担当する

第98回は、寅子の法曹人生にとって大きな意味を持つ「原爆裁判」が動き出す回です。前半の星家の物語からいったん視点が変わり、戦後日本が背負った重い問いが画面に持ち込まれます。家庭の小さな悩みを描いてきた本作が、その同じ週に国家規模の裁判を据える——週の中で最も社会性の濃い回といえます。

原爆裁判の辞令

東京地裁に戻った寅子が配属された民事第二十四部で、「原爆裁判」を担当することが決まります。広島・長崎への原爆投下によって被害を受けた人々が、その責任と補償を国に問う訴訟です。被害の重さに対して、法律がどこまで応えられるのか。寅子はここで、答えの出しにくい問題に正面から向き合うことになります。

家庭裁判所を一から立ち上げてきた寅子が、次は司法の最前線で国家を相手取る大きな事件を担うという流れが、ここで示されます。家庭の小さな悩みに寄り添ってきたこれまでの仕事と、社会全体の問いを背負う原爆裁判とでは、扱う規模がまるで違います。それでも「困っている人のために法律がある」という寅子の根っこは変わらない、その一貫した姿勢がこの辞令を受ける場面に表れます。

第五福竜丸事件という時代背景

この週の背景には、昭和29年(1954年)にアメリカがビキニ環礁で行った水爆実験で、日本の漁船・第五福竜丸が被ばくした事件があります。乗組員23人全員が被ばくし、半年後に無線長の久保山愛吉さんが亡くなったと記録されています。この実験で使われた水爆「ブラボー」の威力は、広島原爆のおよそ1000倍ともいわれます。

核被害への怒りが国内で高まる一方、現実には補償の道は険しいものでした。昭和26年(1951年)に締結されたサンフランシスコ平和条約の下で、原爆被害についてアメリカに賠償を求めにくい状況にあったことが、原爆裁判の難しさの土台にあります。第五福竜丸事件もまた、見舞金による決着で正面からの賠償請求が難しくなっていました。法では割り切れない被害をどう扱うのか——寅子がこの事件にどう向き合っていくのか、その重さが次回以降の物語に引き継がれていきます。

第99回(8月15日・木)航一が同席する猪爪家の家族会議

第99回は、舞台を猪爪家に移し、弟・直明の結婚と同居をめぐる対立が表面化する回です。原爆裁判という大きな仕事の物語からいったん家庭の問題へ視点が戻り、「家族で暮らす」という形そのものが議題になります。寅子が頼る相手として航一を呼ぶのも、この週ならではの展開で、星家と猪爪家、二つの家族の物語がここで静かに交わります。

直明と花江の対立

結婚しても猪爪家での同居を続けたい直明と、結婚したら家を出るべきだと考える花江の意見が、なかなか噛み合いません。猪爪家は、戦争で多くのものを失いながら、寅子・花江・直明らが支え合って生き延びてきた家です。だからこそ「これからも一緒にいたい」という直明の願いも、「新しい家庭は独立して始めるべき」という花江の考えも、どちらにも理由があります。長く一緒に暮らしてきた家族ゆえの難しさが、二人のやり取りににじみます。

寅子はこの状況に向き合うため、航一に相談を持ちかけ、猪爪家へ来てもらうことにしました。身内だけで煮詰まりがちな問題に、あえて外の目を入れようとするところに、家庭裁判所で多くの家族と向き合ってきた寅子らしさが出ています。

航一の同席と玲美の登場

航一が同席するなか、花江と直明はそれぞれの思いを少しずつ言葉にしていきます。当事者同士だと感情がぶつかりやすい話し合いも、第三者がいることで落ち着いて進められる——その効用が画面に表れます。やがて直明は、恋人の玲美を家族会議の場へ連れてきました。

航一が改めて玲美に同居への気持ちを尋ねると、玲美の答えは「どうしても結婚したいとまでは思っていない」という、思いのほか率直なものでした。婚約者というよりも、一人の人間として自分の本音をはっきり口にする玲美の姿は、この場の空気を静かに変えていきます。家族だけでは引き出せなかった本音が、外の人が間に入ることで少しずつ表に出てくる回でした。次回、玲美はこの場に思いがけない提案を持ち込みます。

家庭裁判所の物語を描いてきた本作らしく、身内の「同居問題」を当事者だけで抱えず第三者を交えて話し合う形にしたのが印象的、という受け止めが多かったようです。

第100回(8月16日・金)玲美が「お試し同居」を提案する

節目となる第100回は、直明と花江の同居問題に一つの落としどころが見え始める回です。前回からの家族会議を受け、当事者それぞれの気持ちが言葉になり、玲美の柔らかな提案が週を締めくくります。100回という区切りにふさわしく、家族が向き合って結論を急がず形を探っていく、本作らしい一話になっています。寅子が双方に寄り添う姿も描かれます。

直明と花江、それぞれの本音

直明と花江は、同居についての思いをあらためて語り合います。直明は「猪爪家を離れるのが寂しい」と打ち明け、ともに生き延びてきた家族と離れがたい気持ちをのぞかせます。一方の花江は、一緒に暮らすことの難しさを率直に口にします。新しく家族になる玲美のことを思えばこそ、安易な同居には踏み切れない——花江の言葉には、これまで家を切り盛りしてきた人ならではの実感がこもります。

寅子はその様子を見守りながら、どちらの気持ちも分かると、両者に共感を示したと伝えられています。どちらかを正しいと裁くのではなく、両方の思いを受け止めようとする姿勢は、寅子がこの物語を通して大切にしてきたものでもあります。正解のない問いに、家族が一つずつ言葉を尽くしていく場面です。

玲美の提案と寅子たちのこれから

婚約者の玲美は、いつも自分の希望よりも玲美を優先してくれる直明にとって、唯一の頼みが同居なのだと理解を示します。そのうえで「お試しで同居してみてはどうか」と提案しました。是か非かで決めつけるのではなく、一度ためしてから考えればいい——玲美のこの柔らかな発想が、こじれかけた話し合いに新しい出口をつくります。

玲美は「是が非でも結婚したいわけではない」と打ち明けつつ、「結婚するなら直明さん以上の人はいない」と思ってプロポーズを受けたとも語ったとされます。自分の気持ちに正直でありながら、相手をきちんと選んでいる。その等身大の言葉が、節目の第100回をやわらかく締めくくります。仕事では原爆裁判という重い問いを抱え、家庭では新しい家族の形を手探りする——公私の両方で「これからの形」を選び取ろうとする寅子たちの歩みは、次週へと続いていきます。

『虎に翼』第20週のネタバレまとめ

第20週は、寅子が航一と「永遠を誓わない愛」を選び、優未を連れて星家を初訪問する一方、東京地裁の民事第二十四部で原爆裁判を担当することが決まる週でした。第96回では海辺の三人の時間が、第97回では星家の食卓で空気が一変する場面が描かれ、新しい家族の輪に入ることの難しさが示されます。

第98回からは仕事の物語が大きく動き、第五福竜丸事件を背景にした原爆裁判という戦後日本の重い問いが寅子に託されます。後半の第99回・第100回では舞台が猪爪家へ移り、直明と花江が結婚後の同居をめぐって対立。航一が家族会議に同席し、節目の第100回では婚約者・玲美が「お試し同居」を提案して幕を閉じます。仕事では国家を相手取る大きな裁判と向き合い、家庭では新しい家族の形を手探りする——公私が同時に動いた、密度の高い5日間でした。

『虎に翼』第20週──脚本の選択を読む

この週の脚本は、「稼ぎ男に繰り女?」という古い役割分担のことわざをサブタイトルに掲げながら、それとは異なる関係を寅子たちに選ばせています。サブタイトルは、男は外で稼ぎ女は家を切り盛りするという旧来の家族観を表したことばです。けれど第20週で実際に描かれるのは、その型から外れていく選択ばかりでした。

結婚という形を前提にしない「永遠を誓わない愛」、同居か別居かを当事者だけで決めず第三者を交える家族会議、そして玲美の「お試し同居」。いずれも、決まった型に当てはめるのではなく、その都度話し合って形を決めていく姿勢で貫かれている気がします。サブタイトルにわざわざ疑問符「?」を付けているのも、古い役割分担を当たり前としない作り手の視点の表れなのかもしれません。

さらに、私生活で家族の形を問う同じ週に、仕事の場では原爆裁判という社会全体の問いを置いた構成にしているのも、おそらく意図的なのでしょう。家庭の小さな選択と、国家を相手取る大きな裁判を並走させることで、「人がどう生きる形を選ぶか」というテーマを、規模を変えて二重に描いているようにも読めます。日常の悩みと歴史的な裁判を地続きに置く手つきは、本作が一貫して大切にしてきたものだと言えそうです。

原爆裁判は、主人公のモデルとされる三淵嘉子さんが実際に関わった裁判がもとになっていると報じられています。家庭の物語と史実の重い裁判を同じ週に置いた構成が話題になりました。
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