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『虎に翼』第24週「女三人あれば身代が潰れる?」ネタバレあらすじ感想

目次

『虎に翼』第24週のあらすじ(俯瞰)

『虎に翼』第24週「女三人あれば身代が潰れる?」は、第116回から第120回(2024年9月9日〜13日放送)の一週間です。8年に及んだ原爆裁判がついに終結し、山田よねと轟太一が岩居とともに被害者救済の弁護団を結成します。物語の時間は1968年から1969年へと進み、寅子の盟友・多岐川幸四郎ががんで入院します。桂場等一郎は第5代最高裁長官に就任しました。山田轟法律事務所は刑法200条「尊属殺人罪」を争う父親殺しの弁護を引き受け、安田講堂事件では香淑の娘・薫が逮捕されます。家庭では、のどかが吉川誠也との結婚を決め、優未は研究職を断念します。少年法改正の諮問に寅子が憤るなか、病床の多岐川が最後の力を振り絞ります。三世代の女たちがそれぞれの生き方を選ぶ、終盤の山場となる週です。

第116回(9月9日・月)原爆裁判が終結し被害者救済の弁護団が動き出す

第116回は、8年にわたって続いた原爆裁判の終結から始まります。判決は国の被爆者救済の法制化を後押しする大きな一歩となり、闘いの場は法廷から立法へと移っていきます。

よねと轟が被害者救済弁護団を結成する

長い裁判を見届けた山田よねと轟太一は、岩居とともに被爆者の救済へ向けて新たに弁護団を立ち上げます。判決そのものが終わりではなく、被害者の生活と尊厳を守る次の闘いの起点になる、という描き方です。寅子もその動きを見守りながら、家庭裁判所の少年部で働き続けています。原爆裁判は本作で長く積み上げられてきた柱の一つで、その決着が第24週の入り口に置かれた構成になっています。

1969年へ──多岐川の入院と各人の現在地

時代は1968年から1969年へと進みます。多岐川幸四郎はがんの手術を経て療養に入り、寅子が見舞うと、多岐川は「少年犯罪の厳罰化」を求める世の中の流れを案じていました。正月を迎えた人々の現在地も描かれ、優未は大学院、朋一は最高裁事務総局、のどかは銀行勤めと、それぞれの道を歩んでいます。そして桂場等一郎が第5代最高裁長官に就任したことが示され、この週の大きな伏線として置かれます。

静かに時間が流れるなかで、多岐川の病と少年法という主題が同時に立ち上がる回です。次回は桂場の長官就任と、新たな裁判の幕開けへと進みます。

原爆裁判の決着を週頭に置くことで、終盤のテーマが「個人の救済」から「社会の仕組み」へ広がっていく流れが見えてきますね。

第117回(9月10日・火)桂場が最高裁長官に就任し香淑の娘・薫が逮捕される

第117回では、桂場の最高裁長官就任を祝う場と、時代の荒波に巻き込まれる若者たちの姿が交差します。重いテーマが続けざまに描かれる回です。

尊属殺人事件と刑法200条をめぐる弁護

山田轟法律事務所は、父親を手にかけた女性・美位子の弁護を引き受けます。轟は、尊属殺人を重く罰する刑法200条が、法の下の平等を定めた憲法14条に違反していると主張する方針を説明します。親殺しという最も重い罪を、あえて憲法の視点から問い直す展開で、後の違憲判決へとつながる重要な裁判が動き出します。法律の条文が物語の中心に据えられる、本作らしい一場面です。

安田講堂事件と薫の逮捕

戦後生まれの世代を中心に学生運動が激しさを増し、東京大学では安田講堂事件が起こります。その渦中で、香淑(崔香淑)の娘・薫が逮捕されてしまいます。香淑は司法修習を終えたばかりで、自分の手で娘を弁護したいと願います。一方、就任した桂場は、政権与党側からの人事介入をにおわせる圧力に対し、不偏不党・中立の立場で司法の独立を守ると強く反発しました。

親と子、司法と政治という対立軸が一気に立ち上がる回です。次回は、判決に納得できない朋一の葛藤と、のどかの婚約が描かれます。

尊属殺人と安田講堂事件が同じ回に重なり、視聴者からも「いろいろと重い」という反応が多かったようです。実際の違憲判決は放送の時代設定より後だったとも語られています。

第118回(9月11日・水)朋一が司法に疑問を抱き、のどかの婚約が明かされる

第118回は、最高裁の判決に揺れる朋一の内面と、家族の慶事が並んで描かれます。社会の問いと家庭の出来事が、同じ食卓の上で交わる回です。

朋一が抱える司法への不満

星家を訪れた朋一は、最高裁が出した相反する判決に大きな不満を抱えていました。「憲法で権利は保証されている」のに、「裁判官は政治的に偏ってはいけない」という説明に、どうしても納得がいかないのです。最高裁事務総局に身を置く朋一だからこそ抱く、制度の内側からの疑問が丁寧に描かれます。寅子や航一が、若い世代の率直な問いとどう向き合うかも見どころになりました。

のどかの婚約と優未の決断

朋一は、のどかが恋人と結婚を約束していることを聞き出し、航一と寅子に打ち明けます。やがて、のどかの婚約者・吉川誠也が結婚の挨拶に星家を訪れます。同じころ、寄生虫の研究に打ち込んでいた優未は、研究職の先に自分の居場所がないと感じ、大学院を中退する決意を固めていました。昭和44年5月、安田講堂で逮捕された学生たちの刑事裁判も始まり、時代の空気が家庭にも忍び込みます。

結婚へ進むのどかと、進路に悩む優未。三世代の女たちの選択が、いよいよ重なり始める回です。

第119回(9月12日・木)のどかと誠也が結婚を宣言し、寅子が優未を後押しする

第119回では、のどかの結婚が正式に祝われる一方、進路に迷う優未へ寅子が言葉を贈ります。家庭の温度と、少年法という社会の問いが交差する回です。

「僕たち結婚します」──航一の涙

吉川誠也が「僕たち結婚します」と高らかに宣言し、のどかとの結婚が家族に正式に披露されます。娘の門出を前に、航一は感情が高ぶり、思わず笑い出してしまいます。喜びと寂しさが入り混じった、父親としての反応が印象的に描かれました。三世代が同じ家で暮らしてきた汐見家にとって、新たな家族を迎える節目の場面です。

優未への寅子の言葉

研究職を諦めかけている優未に、寅子は母として向き合います。寅子は娘へ、「どの地獄を進むか諦めるかは、優未の自由です」と語りかけ、進む道も退く道も自分で選んでいいのだと背中を押します。自身も道を切り拓いてきた寅子だからこそ届く言葉です。一方で、法務大臣が少年法改正を諮問したことに、寅子は強い憤りを見せます。

家族の慶事の裏で、少年法をめぐる対立が静かに熱を帯びていきます。次回は、多岐川が最後の力を振り絞る最終盤へと向かいます。

「どの地獄を進むか諦めるか」という寅子の言葉は、自分の道を歩んできた本人だからこそ重みがありますね。励ましでありながら、決して甘くないのが本作らしいところです。

第120回(9月13日・金)多岐川が少年法改正反対の意見書に最後の力を振り絞る

第24週の最終話は、多岐川の最期と香淑の決意が重なる、別れと再出発の回です。少年法という主題が、一人の人生を懸けた訴えとして描かれます。

多岐川、桂場への意見書

不起訴となった薫は、出自を隠していた母・香淑に一度は怒りをぶつけながらも、真面目に大学へ通い始めます。病状が進んだ多岐川のもとには、桂場や稲垣ら懐かしい面々が見舞いに訪れます。多岐川は、寅子が届けた法務省の少年法改正要綱を読み、改正が現行少年法の基本構造を変えてしまうと指摘します。涙ながらに、刑罰だけでなく非行少年が自分と向き合える保護のあり方こそ更生に必要だと訴えました。桂場へ意見書を取りに来るよう電話で求めますが断られ、多岐川は「このしみったれ、しかめっ面のすっとこどっこい」と言い放ち、受話器を置きます。

香淑の決意と「イマジナリー多岐川」

汐見の家に懐かしい顔ぶれが集うなか、香淑は「もういいの。まずこの家で、薫の前で『崔香淑』を取り戻してみたい」と宣言し、自分と同じ境遇の人々に寄り添う弁護士を目指します。薫も母を理解し、人のために生きようとする姿勢を尊敬します。そして療養していた多岐川は、少年法改正に反対する意見書を遺して世を去ります。意見書を手にした桂場の前に、元気だったころの多岐川の幻影が現れる演出が大きな話題を呼びました。

長く寅子を支えた盟友の退場と、香淑の新たな一歩。第24週は、別れと決意が交差したまま幕を閉じます。

桂場の前に現れる「イマジナリー多岐川」には、「臨終のシーンよりずっと涙が出る」という声が多く寄せられました。台詞で見せる別れの描き方が印象的だったようです。

『虎に翼』第24週のネタバレまとめ

第24週「女三人あれば身代が潰れる?」では、8年続いた原爆裁判が終結し、山田よねと轟太一が被害者救済の弁護団を結成しました。時代は1969年に進み、桂場等一郎が第5代最高裁長官に就任します。山田轟法律事務所は刑法200条「尊属殺人罪」と憲法14条を争う弁護を引き受け、安田講堂事件では香淑の娘・薫が逮捕されました。家庭では、のどかが吉川誠也との結婚を決め、優未は大学院中退を選びます。寅子は少年法改正の諮問に憤り、病床の多岐川は改正反対の意見書を遺して息を引き取りました。香淑は「崔香淑」を取り戻す決意を語り、別れと再出発が同時に描かれた一週間でした。

『虎に翼』第24週──脚本の選択を読む

第24週は、原爆裁判・尊属殺人・安田講堂事件・少年法改正という、戦後日本の重い司法テーマを一週間に凝縮した構成になっています。脚本は、これらを個別の事件として並べるのではなく、すべてを「制度と個人の尊厳」という一本の軸でつないでいるように見えます。多岐川が最後に託したのが、罰ではなく更生を重んじる少年法への訴えだった点が象徴的です。重いテーマが続く回には「いろいろと重い」という反応も多く寄せられたと報じられています。それでも、のどかの結婚や香淑の決意といった希望の場面を差し込むことで、暗さに沈ませない緩急がつけられています。タイトルの「女三人あれば身代が潰れる?」という古い言い回しを疑問符付きで掲げ、寅子・のどか・優未・香淑ら女たちの選択でその偏見を裏返していく狙いがうかがえます。

古いことわざを疑問形のサブタイトルに掲げて、本編で覆していく手法は本作で繰り返し使われてきた型ですね。第24週もその締めくくりにふさわしい一週間だったように思います。
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