『マッサン』週別あらすじ・ネタバレ
『マッサン』第5週のあらすじ(俯瞰)
第5週「内助の功」は、亀山政春(玉山鉄二)が住吉酒造でウイスキー事業の承認を勝ち取ろうと奔走し、最後に退職届を出すまでを描く週です。鴨居欣次郎からのスカウトを政春が断ったことで、妻エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)との間にすれ違いが生まれます。エリーは鴨居を訪ね、夫の雇用を願い出ますが、鴨居は「内助の功」で支えるべきだと諭します。住吉酒造では矢口専務がウイスキー中止を宣言し、大株主・守谷長五郎も反対の構え。田中大作(西川きよし)の直談判で太陽ワインの生産だけは再開が決まります。政春と大作は長五郎に土下座して株主会議の開催にこぎつけ、本場のウイスキーは不評を買いますが、エリーが用意したスコットランド料理で評価が一変します。それでも事業は否決され、政春は退職届を提出。米が底をつく窮地で、エリーは笑顔で夫を支えると誓います。この週は、夢の挫折と夫婦の絆が同時に描かれる転換点です。
第25回(10月27日・月)エリーが鴨居に「マッサンを雇って」と頭を下げる
第25回は、鴨居欣次郎からのスカウトを政春が独断で断ったことが、夫婦の最初の亀裂になる回です。第5週「内助の功」というサブタイトルの意味が、この回から問われ始めます。
独断で断った政春と、朝食を抜くエリー
政春は鴨居の誘いを相談なく断りました。それを知ったエリーは強く怒ります。政春が「外国人にはわからない」と言い張ったことで、二人の溝はさらに深まりました。エリーは政春を朝食抜きのまま仕事へ送り出します。日本の「家を守る妻」という役割と、対等に意見を交わしたい西洋人エリーの感覚が、ここで正面からぶつかります。第5週のテーマ「内助の功」を、エリーが体ごと問い直す場面です。スコットランド育ちのエリーにとって、黙って従うだけの支え方は簡単に納得できるものではありませんでした。
鴨居に告げられた「内助の功」という支え方
エリーは鴨居のもとを訪ね、政春をもう一度雇ってほしいと頭を下げます。鴨居は「もう終わったことだ」と受け入れません。そのうえで、妻にしかできない支え方があると説きます。表に立つのではなく、夫を陰で支える「内助の功」こそがこの時代の妻の務めだという考え方です。一方、住吉酒造の社長令嬢・田中優子(相武紗季)は、婚約者の藤岡次郎と初めて二人きりで会い、相手への思いが少しずつ揺れ始めます。エリーの悩みと優子の縁談が、並行して動き出す回でした。鴨居欣次郎を演じる堤真一の重みのある芝居が、説教臭くならずに鴨居の本心を伝えています。
第26回(10月28日・火)矢口専務が中止を宣言し、政春がやけ酒をあおる
第26回は、社内でウイスキー事業が一気に逆風にさらされる回です。前回の夫婦のすれ違いを引きずったまま、政春は会社でも壁にぶつかります。
矢口専務の中止宣言と長五郎の反対
住吉酒造の矢口専務は、ウイスキー事業の中止を宣言します。大株主の守谷長五郎も、太陽ワインを自社で製造するという噂を理由に反対の姿勢を見せました。社の中枢が次々とウイスキーから離れていきます。政春が必ずやり遂げると誓った夢が、現実の経営判断の前で行き場を失っていく展開です。前週まで積み上げてきた政春と大作の覚悟が、株主や役員の渋い顔の前で試されます。
太陽ワイン再開と、自暴自棄になる政春
そこで動いたのが田中大作です。大作の直談判によって、太陽ワインの生産再開だけは決まります。ところがウイスキー事業そのものは前に進みません。努力しても理解されない状況に、政春は自暴自棄になり、やけ酒をあおります。夢に近づくどころか足踏みする政春の姿が、第5週の中盤の沈んだトーンを作ります。落ち込む政春を、エリーが叱咤して立て直そうとする流れにつながっていきます。西川きよし演じる大作が、社長として腹をくくる場面でもありました。
第27回(10月29日・水)大作と政春が長五郎に土下座する
第27回は、株主会議の開催そのものを勝ち取るための回です。前回までふさぎ込んでいた政春が、もう一度前を向きます。
長五郎への土下座と、優子の助け
大作と政春は、大株主の守谷長五郎に土下座をして株主会議の開催を願い出ます。社長と技師が並んで頭を下げる姿は、夢への執念をそのまま映した場面です。ここで優子の助力もあり、株主会議の実現にこぎつけます。前回まで反対一色だった流れが、二人の必死さでわずかに動きました。第5週のサブタイトル「内助の功」が、エリーだけでなく優子の働きにも重なっていきます。藤岡次郎との縁談を抱えた優子が、それでも父と政春を後押しする姿が描かれます。
「煙臭い」「薬臭い」という噂への不安
一方、エリーは井戸端会議で気になる話を耳にします。本場のウイスキーは「煙臭い」「薬臭い」と噂されているというのです。スコッチ特有のピート香は、当時の日本人には馴染みのない香りでした。せっかく開く株主会議でその香りが嫌われては、事業の承認は遠のきます。エリーの不安が高まり、次回の「料理でもてなす」という発想の伏線になります。第27回は静かな回ですが、株主会議成功への準備が水面下で進んでいきます。
第28回(10月30日・木)エリーのスコットランド料理で株主会議の空気が一変
第28回は、第5週の山場にあたる株主会議の回です。エリーの「内助の功」が、もっとも鮮やかな形で実を結びます。
不評の本場ウイスキーと、現れたエリー
株主会議で本場のウイスキーが振る舞われますが、株主たちの反応は芳しくありません。煙臭く薬臭いという第27回の噂どおり、渋い表情が並びます。絶体絶命の空気のなか、エリーが優子らと考えたスコットランド料理を手に現れます。ハギスをはじめとする本場の家庭料理は、ウイスキーと合わせて初めて持ち味が際立つものでした。エリーの登場が、重苦しい会議の流れを断ち切ります。
料理と一緒に飲んで「旨い」に変わる評価
料理と一緒にウイスキーを口にすると、株主たちの反応が一変します。「旨い」という声が次々と上がり、会議には拍手が沸き起こりました。政春はその空気をとらえ、ウイスキー造りに懸ける熱い思いを株主たちに直接訴えます。エリーが表に立たずに料理で支えた働きが、まさに「内助の功」として結実した場面です。第5週でもっとも明るく沸いた回であり、エリーという人物の魅力が一気に伝わるクライマックスでした。
第29回(10月31日・金)藤岡家の反対で「破談か事業か」の二択を迫られる
第29回は、株主会議の成功が一転して暗転する回です。喜びもつかの間、新たな障害が政春の前に立ちふさがります。
藤岡家が突きつけたリスクへの懸念
株主会議は成功しましたが、優子の嫁ぎ先となる藤岡家がウイスキー事業に反対します。先の見えない事業のリスクを懸念しての反対でした。優子の縁談と政春の夢が、ここで真正面からぶつかります。会社と孫娘の幸せを思う守谷長五郎にとっても、簡単に割り切れる問題ではありません。第28回の高揚から一転、第5週は重い局面へと折り返していきます。藤岡次郎との縁談という第25回からの伏線が、ここで事業の命運に直結しました。
「夢をあきらめるな」と励ます優子
政春は、破談を避けるか事業を続けるかという二者択一を迫られます。自分のために優子の縁談を壊すわけにはいかないという思いが、政春を追い詰めます。そんな政春に、当の優子が「夢をあきらめるな」と励まします。自分の縁談より政春の夢を案じる優子の言葉が、この回の核心です。相武紗季が演じる優子のまっすぐな思いが、退職という重い決断への布石になりました。前向きな言葉とは裏腹に、物語は政春の去り際へと進んでいきます。
第30回(11月1日・土)政春が退職届を提出し、住吉酒造を去る
第30回は、第5週の結末にあたる回です。ウイスキー事業はついに否決され、政春は会社を去る決断を下します。
否決された事業と、提出された退職届
盛り上がった株主会議のあとも、ウイスキー事業は最終的に否決されます。会社と優子の縁談を守るため、政春は退職届を提出する道を選びました。翌朝、辞表を手にした政春を、大作はあえて「解雇」という形で送り出します。社長として政春の覚悟を認めたうえでの、温かくも厳しい別れでした。夢を追って入った住吉酒造を去る政春の背中に、第5週「内助の功」のすべてが集約されています。前週からの会社員生活が、ここでひとつの区切りを迎えました。
米が底をつくなか、笑顔で支えるエリー
会社を辞めた政春夫婦を待っていたのは、米が底をつく厳しい現実です。それでもエリーは、笑顔で政春を出迎えます。一生支え続けると誓うエリーの姿が、夫婦の絆を改めて印象づけました。挫折と困窮のなかでも前を向く二人の姿で、第5週は幕を閉じます。次週からは、住吉酒造を離れた政春が新しい一歩を踏み出す展開へと向かっていきます。第30回は、夢の挫折を描きながらも希望を残す、過渡期らしい回でした。
『マッサン』第5週のネタバレまとめ
第5週「内助の功」は、政春のウイスキー事業承認への挑戦と、その挫折を描いた週でした。鴨居のスカウトを断った政春に怒ったエリーは、鴨居から「内助の功」で支えるべきだと諭されます。矢口専務の中止宣言や長五郎の反対で事業は逆風に立たされますが、大作の直談判で太陽ワインだけは再開。政春と大作は長五郎に土下座して株主会議を開きます。本場ウイスキーは不評でしたが、エリーのスコットランド料理で評価が一変し、会議は成功しました。それでも藤岡家の反対と最終否決により、政春は退職届を提出して住吉酒造を去ります。米が尽きる窮地でも、エリーは笑顔で夫を支えると誓いました。
『マッサン』第5週──物語の読みどころ
この週の読みどころは、サブタイトル「内助の功」をエリー自身が問い直し、最後に自分なりの答えで体現する流れにあります。西洋育ちのエリーにとって、黙って従う支え方はすぐには納得できないものでした。その彼女が、表に立つのではなく料理という得意分野で株主会議を救う展開は、当時の価値観をなぞるだけでなく、エリーらしい主体的な支え方へと描き換えているように見えます。脚本は、夫婦の対立を解消するのではなく、別々のやり方で同じ夢を追う関係として描いたのかもしれません。退職という挫折で週を閉じながらも、エリーの笑顔で希望を残す構成は、後半の独立劇への助走として効いている気がします。モデルの竹鶴政孝とリタ夫妻の歩みを知る視聴者ほど、この週の挫折が次の飛躍の前段だと読み取れるはずです。

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