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『マッサン』第24週「一念岩をも通す」ネタバレあらすじ感想

朝ドラ『マッサン』第24週「一念岩をも通す」は、第139回から第144回までの6話です。2015年3月16日から21日まで放送されました。社運を賭けた三級ウイスキーづくりに政春が踏み出す、最終週直前の山場の週です。シベリア抑留から帰還した悟の一言が、政春のウイスキー観を根底から揺さぶります。この記事では、各話で何が起きたのかを順を追って整理し、物語の読みどころまでまとめます。

目次

『マッサン』第24週のあらすじ(俯瞰)

昭和23年、亀山政春は出資者の渡から安価な三級ウイスキーの製造を求められます。長年こだわってきた本物のウイスキーづくりとはかけ離れた要求に、政春は迷いを抱えます。そんな折、シベリア抑留から甥の悟が帰還します。極限の収容生活を生き延びた悟は、政春が「偽物」と切り捨てた安酒こそ、自分を救った一番うまい酒だったと告げます。本物と偽物の境目とは何か。悟の問いを受けた政春は、ウイスキーの語源が「命の水」であったことを思い出し、心を満たす一杯を造る意味を捉え直します。父・政志や悟の母も背中を押し、政春は香料も着色料も使わない三級ウイスキーづくりへ全力を注ぎます。一方、娘のエマはアメリカ行きを決意し、面接に臨みます。週の終わりには完成した酒の試飲会が開かれ、かつて政春の酒を酷評した澤田までもが態度を一変させます。

第139回(3月16日・月)政春が三級ウイスキーの製造を渡から命じられる

第24週「一念岩をも通す」の幕開けです。終戦から3年が過ぎた昭和23年、政春の前に新しい難題が突きつけられます。

渡が求める「安物の三級酒」

出資者の渡が政春に求めたのは、庶民でも手の届く安価な三級ウイスキーでした。世の中はまだ戦後の混乱から抜け出せず、高級な本物のウイスキーを買える人は限られています。会社を存続させるには、まず売れる酒を造らなければならないという現実が、政春に重くのしかかります。長年スコットランド仕込みの本物にこだわってきた政春にとって、安酒づくりは理想に背を向ける選択にも見えました。

熟成原酒を生かす一手

それでも政春は、ただ安いだけの酒を造るつもりはありませんでした。熟成を重ねた原酒を少量加えることで、安くても飲みごたえのある一本にできないかと考え始めます。妥協ではなく工夫で勝負しようとする姿勢に、職人としての矜持がにじみます。とはいえ、本物を追い続けてきた自分が三級酒に手を染めることへの迷いは、まだ消えていません。

この週、ウイスキーへの向き合い方が大きく揺れ動いていきます。次回、思いがけない人物の帰還が政春の価値観を激しく揺さぶります。

モデルの竹鶴政孝も、戦後に安価なウイスキーで会社を支えた時期があったと伝えられています。理想と経営の板挟みは史実にも重なるテーマです。

第140回(3月17日・火)悟がシベリア抑留から帰還し「酒に本物も偽物もない」と告げる

第140回では、生死すらわからなかった甥の悟が、ドウカウヰスキーに姿を現します。政春の心を根底から揺さぶる再会の回です。

シベリアを生き延びた悟

シベリア抑留から復員した悟は、政春のもとへ挨拶に訪れます。想像を絶する収容生活を生き延びた悟の言葉には、机上では決して得られない重みがありました。極寒と飢えのなかで何を支えに生きてきたのか。その問いの答えとして、悟は一杯の安酒の記憶を語り始めます。

命をつないだ三級酒

悟は、政春がかつて「偽物」と切り捨てた安い三級酒こそ、自分を救った一番うまい酒だったと打ち明けます。明日の食事もままならない人々にとって、高級なウイスキーに意味はあるのか。悟のまっすぐな問いかけは、政春が積み上げてきた本物へのこだわりを揺さぶります。酒に本物も偽物もないという視点は、職人の論理とは別の場所から放たれた一撃でした。

本物とは何かという問いを抱えたまま、政春は答えを探し始めます。次回、政春はその問いに自分なりの結論を出していきます。

シベリア抑留は当時の多くの家庭が直面した現実でした。帰還者の言葉を通して戦争の傷跡を描く構成に、視聴者からも反響が大きかったようです。

第141回(3月18日・水)政春が「命の水」を思い出し三級酒づくりを決意する

第141回では、悟の問いを受け止めた政春が、ウイスキーづくりの原点に立ち返ります。迷いが決意へと変わる転機の回です。

ウイスキーは「命の水」

悟の言葉を反芻するうち、政春はウイスキーの語源が「命の水」であったことを思い出します。もともと酒とは、人の心を満たし、生きる力を与えるための飲み物だったはずでした。高級か安価かという物差しだけで酒を測っていた自分に、政春は気づかされます。スコットランドで学んだ本物の技術も、人を幸せにするためにあったのではないか。原点が静かによみがえります。

安くてうまい酒への覚悟

政春は、安くてもうまい三級酒を造る決意を固めます。妥協としての安酒ではなく、より多くの人の心を満たすための一本へ。目指す方向が定まったことで、政春の表情から迷いが消えていきます。本物へのこだわりを捨てるのではなく、その技術を庶民の手に届く酒へ注ぎ込むという、新しい挑戦の始まりでした。

覚悟を決めた政春のもとに、思いがけない応援が集まり始めます。次回、家族が三級酒づくりを後押しします。

第142回(3月19日・木)父・政志と悟の母が三級酒づくりを後押しする

第142回では、政春の挑戦を家族が支える姿が描かれます。世代を越えて思いがつながっていく回です。

故郷からの来訪

政春の父・政志と、悟の母が亀山家を訪れます。広島の造り酒屋に生まれた政春にとって、父は酒づくりの原点とも言える存在です。かつて洋酒づくりに反対していた頃とは違い、政志は息子の新たな挑戦を見守る側に回っています。家族が顔をそろえることで、政春の決意はいっそう確かなものになります。

悟が手伝いを願い出る

シベリアから戻った悟は、政春の三級酒づくりを手伝いたいと願い出ます。安酒に救われた経験を持つ悟だからこそ、この酒づくりにかける思いは人一倍でした。かつて政春を問い詰めた悟が、今度はその夢を支える側に立つ。問いを投げかけた者が同じ志のもとに集う展開に、物語の温かさがにじみます。

仲間と家族に支えられ、政春の酒づくりはいよいよ核心へ向かいます。次回、政春は理想の一本を求めて原酒探しに没頭します。

かつて洋酒を反対していた父が応援に回る描写は、第1週からの長い物語を見てきた人ほど胸に響いたという声が多かったようです。

第143回(3月20日・金)政春が「肝をつかめ」とキーモルト探しに没頭する

第143回では、政春が理想の三級酒を実現するため、味の核となる原酒探しに打ち込みます。職人の執念が前面に出る回です。

「肝をつかめ」という助言

政春は「肝をつかめ」という助言を胸に、酒の味を決めるキーモルト探しに没頭します。安価な三級酒であっても、その中心には心を打つ一滴がなければならない。少量の熟成原酒をどう生かすかが、酒全体の出来を左右します。妥協を許さない政春の姿勢が、安酒づくりとは思えないほどの真剣さで描かれます。

若い原酒との格闘

政春は若い原酒の試飲を重ね、最良の配合を探り続けます。一杯ごとに香りと味を確かめ、理想に近づける作業は地道そのものです。エマもまた、アメリカ行きへ向けて自分の道を歩み始めており、それぞれが新しい一歩を踏み出していました。父娘がそれぞれの夢に挑む姿が重なります。

試行錯誤の末、政春の三級ウイスキーはついに完成へと近づきます。次回、社運を賭けた試飲会が開かれます。

少量の原酒で味の核を作る発想は、戦後の物資不足のなかで実際に行われた工夫とも重なります。制約のなかの創意が物語の軸になっています。

第144回(3月21日・土)三級ウイスキーが完成し試飲会で澤田が態度を一変させる

第144回は、第24週の到達点です。政春が心血を注いだ三級ウイスキーが完成し、社運を賭けた試飲会で評価が下されます。

香料も着色料も使わない一本

政春の三級ウイスキーは、香料も着色料も一切使わずに仕上げられました。試飲会の会場となったニシン御殿には、全国各地から問屋が集まります。原酒の割合がわずか5パーセントながら香料を使っていないことに、試飲した客たちは驚きを隠せません。ぜひ扱いたいという声が次々と上がり、政春の挑戦は商いの面でも確かな手応えを得ます。同じ頃、エマはアメリカへ渡るための面接に臨んでいました。

澤田が認めた「伝える酒」

会場には、かつて政春の鴨居ウイスキーを酷評した長越百貨店の社長・澤田の姿もありました。政春がどうしても飲んでほしいと招いた相手です。ウイスキーを飲み干した澤田は「あんた、変わったな」と政春に告げます。以前の酒は独りよがりだったが、この酒は客の顔を思い浮かべて造られた「伝える酒」だと評し、ぜひ扱わせてほしいと申し出ました。長年政春を退けてきた相手の言葉が、これまでの歩みを肯定する瞬間でした。

三級ウイスキーの成功で、政春の夢は新たな段階へ進みます。最終週となる第25週「人生は冒険旅行」へと物語は向かいます。

『マッサン』第24週のネタバレまとめ

第24週「一念岩をも通す」では、政春が安価な三級ウイスキーづくりへ踏み出します。きっかけはシベリア抑留から帰還した悟の「安酒こそ自分を救った」という言葉でした。本物と偽物の境目を問われた政春は、ウイスキーが「命の水」であった原点を思い出し、安くてもうまい一本に全力を注ぎます。父・政志や悟の協力を得て完成させた三級ウイスキーは、香料も着色料も使わない正攻法の酒でした。試飲会では問屋から扱いたいとの声が相次ぎ、かつて酷評した澤田までもが「伝える酒」と認めます。一方でエマはアメリカ行きを決意し、面接に臨みました。理想と現実の折り合いをつけた政春が、新たな成功の入口に立つ週でした。

『マッサン』第24週──物語の読みどころ

この週の核心は、政春が「本物とは何か」という問いに新しい答えを出したことです。本作はこれまで、スコットランド仕込みの本物のウイスキーを追う政春の姿を描いてきました。第24週では、その本物志向が一度否定され、より広い視点で捉え直されます。悟という戦争帰りの人物に問いを託した構成は、戦後という時代背景と職人のテーマを巧みに結びつけているように見えます。安酒づくりを単なる妥協で終わらせず、技術を庶民へ届ける挑戦に転換した点が、最終週直前の山場としてうまく機能している気がします。澤田の心変わりも、長い物語を見てきた視聴者への一つの報酬になっているのかもしれません。

「一念岩をも通す」という週のサブタイトルどおり、政春の執念が報われる構成でした。次の最終週「人生は冒険旅行」への橋渡しとしても見応えのある週だったようです。
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