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『マッサン』第18週「遠くて近きは男女の仲」ネタバレあらすじ感想

『マッサン』週別あらすじ・ネタバレ

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目次

『マッサン』第18週のあらすじ(俯瞰)

第18週「遠くて近きは男女の仲」は、北海道・余市での果汁事業がつまずく一方で、不器用な男女が結ばれていく週です。北海道果汁の操業から半年、軌道に乗りかけたリンゴ汁に白濁とカビが見つかり、返品が相次いで政春は思わぬ負債を抱えます。同じ頃、ハナに縁談が持ち上がり、いつも言い争ってばかりの俊夫が動揺します。エリーは俊夫の恋心を見抜き、ハナもまた揺れます。すれ違いの末にハナが想いを告げ、俊夫がプロポーズして結婚が決まります。祝いの席へ大阪から届いたのは、鴨居英一郎の急逝という報せでした。政春は弟子が遺した原酒を口にし、ウイスキー造りへの誓いを新たにします。男女の縁と、ウイスキーへの執念が交差する一週間です。ここでは第103回から第108回までの流れを追いながら、それぞれの回の核心と、北海道果汁の挫折から再起へ向かう政春の心の動きを整理していきます。

第103回(2月2日・月)白濁したリンゴ汁が返品の山になる

第103回は、軌道に乗りかけた事業が足元から崩れる回です。北海道果汁の操業から半年、ようやく売れ始めたリンゴ汁に異変が起きます。

カビと白濁が招いた返品

輸送中の瓶でラベルにカビが生え、中身のリンゴ汁が白く濁る事態が発生します。売り物にならないと判断され、返品が相次ぎます。政春は予想していなかった負債を抱え込み、せっかく動き出した果汁事業に冷や水を浴びます。順調に見えた矢先の品質トラブルだけに、工場の空気は一気に重くなります。半年かけて積み上げてきた信用が、保存と輸送の難しさという思わぬ壁にぶつかった格好です。

返品の山を前に、政春は資金繰りの計算をやり直さなければなりません。出資者への説明という重い課題も背負うことになります。果汁という現実的な商いの厳しさが、この回で改めて突きつけられます。ウイスキー造りという長い夢を支えるための果汁事業が、その夢の足を引っ張りかねない状況に、政春は焦りを募らせます。

すれ違う俊夫とハナ

事業の苦境と並行して、俊夫とハナの距離が描かれます。広島から来た蔵人の俊夫と、熊虎の娘ハナは顔を合わせれば言い争ってばかりです。この回ではまだ恋の自覚が前面に出ていませんが、二人のやり取りの端々に、後の展開の伏線がのぞきます。口げんかの裏に互いへの関心が透けて見える描き方は、第18週全体の甘さへの助走になっています。

事業の暗転と、芽生えかけた感情。第18週はこの二つの線が並走して始まります。負債と恋の予感を同時に抱えた政春たちの日常に、翌日からはハナの縁談という新しい波が押し寄せます。

北海道果汁は操業からまだ半年の若い会社です。出資者の期待を背負って始めた事業だけに、最初のつまずきが与える重みは小さくありません。政春は技術者としての矜持と、経営者としての責任のあいだで思い悩みます。この回の沈んだ空気が、週後半の起伏をより鮮やかに見せる土台になっています。

リンゴ汁の白濁は、当時の殺菌・保存技術の難しさを思わせる出来事として描かれているようです。

第104回(2月3日・火)ハナの縁談に俊夫が動揺する

第104回は、縁談という外圧が二人の本心をあぶり出す回です。進から熊虎へ、ハナの縁談話が持ち込まれます。

縁談が運ばれてくる

進を通じて熊虎のもとへ、ハナに良い相手があるという話が舞い込みます。熊虎は娘の将来を思い、縁談に前向きな姿勢を見せます。これまでハナの結婚を具体的に意識していなかった周囲も、急に現実の話として向き合うことになります。森野家に持ち込まれた縁談は、静かだった日常に小さな波を立てます。

豪快な漁師である熊虎にとって、娘の縁談はめでたい話のはずでした。それでも、いざ相手の名が挙がると、父親としての複雑な思いがのぞきます。ハナ自身も、突然現実味を帯びた結婚話に戸惑いを隠せません。森野家の食卓に、これまでとは違う緊張が走ります。

動揺を隠せない俊夫

縁談を知った俊夫は、明らかに落ち着きを失います。普段はハナと衝突してばかりの俊夫が見せた動揺を、エリーは見逃しません。エリーは俊夫の中にあるハナへの恋心に気づきます。一方の俊夫は、その気持ちを認められず、リンゴ汁を使ったワイン作りに没頭することで本心から目を逸らそうとします。仕事に逃げ込む姿が、かえって恋の深さを物語ります。

俊夫が向き合おうとしたのは、返品されたリンゴ汁の活用という現実的な課題でもありました。けれども手を動かすほどに、ハナのことが頭から離れません。技術者として真面目な俊夫が、恋愛となると途端に不器用になる落差が、この回の見どころです。気持ちを言葉にできない男と、それを見透かす周囲という構図が、サブタイトルの「遠くて近き」をそのまま体現しています。煮え切らない態度を続ける俊夫に、ハナの心も少しずつ傾いていきます。次回、二人の関係が大きく動きます。

エリーが恋の気配を先に察するのは、この週のサブタイトル「遠くて近きは男女の仲」をなぞる演出に見えますね。

第105回(2月4日・水)ハナが告白し俊夫がプロポーズする

第105回は、第18週でもっとも甘い回です。すれ違っていた二人が、ついに本心をぶつけ合います。

見合いを決めたハナの決断

俊夫がいつまでも煮え切らない態度を取り続けるため、ハナは見合いを受けることを決めます。相手の気持ちが見えないなら、自分の人生を前に進めるしかないという覚悟です。ところが、見合いを受けると決めてもなお、ハナの心は俊夫から離れません。最終的にハナは、自分の口から俊夫に好きだと想いを告げます。先に動いたのは、いつも勝ち気なハナのほうでした。

勝ち気で芯の強いハナが、自分から想いを口にする展開は、第18週の見どころの一つです。男が言い出すのを待つのではなく、自分の気持ちに正直になる姿勢が、ハナという人物の魅力を際立たせます。教員から農業の手伝いへ転じてきた働き者の彼女らしい、まっすぐな決断です。

俊夫のプロポーズ

ハナの告白を受けて、俊夫もようやく本心を口にします。逃げ込んでいたワイン作りから顔を上げ、ハナにプロポーズします。言い争ってばかりだった二人が結ばれる瞬間は、第18週の山場の一つです。森野家にとっても、政春やエリーにとっても、久しぶりに明るい知らせとなります。

負債に沈んでいた工場の空気を、二人の縁談が少しだけ和らげます。返品問題で重くなっていた余市の暮らしに、ようやく祝い事の明るさが差し込みます。いつも衝突していた二人だからこそ、結ばれたときの喜びはひとしおです。周囲の人々も、まるで自分のことのように二人の門出を喜びます。

結婚が決まり、祝いの席を設けることになった一同。広島から海を越えて余市にやってきた俊夫が、この地で伴侶を得るという展開は、流れ者だった彼の人生に根を張らせる節目でもあります。しかし、その喜びの場へ思いがけない報せが近づいています。

勝ち気なハナが先に告白する流れは、当時の朝ドラとしても印象的な見せ方だったようです。

第106回(2月5日・木)返品のリンゴ汁がアップルゼリーに生まれ変わる

第106回は、苦境を工夫で乗り越えようとする回です。結婚の喜びと並んで、返品されたリンゴ汁の活用が描かれます。

エリーのアップルゼリー

白濁や返品で売り物にならなくなったリンゴ汁を前に、エリーがアップルゼリーを作ることを提案します。捨てるしかないと思われた在庫を、別の形で生かそうという発想です。スコットランド出身のエリーらしい家庭の知恵が、工場の苦境にささやかな光をもたらします。落ち込むばかりだった政春たちにとって、前を向くきっかけになります。

負債を抱えた状況でも、手元にあるものを無駄にしないという姿勢が、この回には流れています。失敗を嘆くより、次に何ができるかを考える。エリーの提案は、後にウイスキー造りへ踏み出す政春の前向きさとも響き合います。異国から来た妻が、日本の余市の暮らしに自分の知恵を持ち込み、家族を支えていく姿も、この場面の温かさの一つです。売れ残りを別の商品に変えるという発想は、限られた資源で挑むものづくりの原点とも言えます。逆境を工夫で切り返す家族の力が、ここで静かに描かれています。

結婚へ向かう森野家

俊夫とハナの結婚を受け、森野家ではさまざまな感情が交錯します。ひとり娘ハナの結婚は、父・熊虎にとって喜びであると同時に寂しさを伴う出来事です。縁談の相手としてではなく、いつも口げんかしていた俊夫と結ばれるという展開に、熊虎の心は揺れます。それでも、娘が自分で選んだ相手を、熊虎は親として受け止めようとします。

政春やエリーたちは、二人を祝う結婚パーティーの準備を進めます。事業の負債を抱えながらも、身近な人の幸せには力を尽くす余市の人々の温かさが描かれます。アップルゼリーという苦境からの工夫と、結婚パーティーという喜びの準備が同じ回に並ぶことで、この回は逆境のなかでも前を向く家族の姿を映し出します。祝いの席が整いつつある中、大阪の鴨居商店から、誰も予想しなかった知らせが届こうとしています。

第107回(2月6日・金)英一郎の訃報が余市に届く

第107回は、第18週の空気を一変させる回です。祝賀の準備が進む中、突然の悲報がもたらされます。

突然の心臓発作

大阪の鴨居商店から、鴨居英一郎が急逝したという報せが届きます。死因は突然の心臓発作でした。鴨居欣次郎の長男であり、政春のもとでウイスキー造りを学んだ英一郎の死は、あまりに早く、あまりに突然でした。俊夫とハナの結婚という喜びの直後だけに、その落差は大きく、政春たちは言葉を失います。

めでたい祝いの準備の最中に飛び込んできた訃報は、余市の家を一気に沈黙させます。喜びと悲しみが同じ週に、しかもこれほど近い時間に訪れることへの戸惑いが、登場人物たちの表情ににじみます。

弟子を悼む政春

かつて政春のもとでウイスキーに向き合った英一郎は、政春にとって愛弟子と呼べる存在でした。その若い命が突然失われたことに、政春は深い衝撃を受けます。ウイスキーという同じ夢を見た若者の死は、政春自身の歩んできた道を振り返らせます。喜びと悲しみが背中合わせに訪れるこの回は、第18週のサブタイトルが示す人の縁の不思議さを、別の角度から映し出します。

英一郎は鴨居商店の跡取り息子であり、本来なら家業を継ぐ立場でした。その若者が、政春と同じウイスキーの道に心を寄せていたという事実が、訃報を一層重くします。政春にとって英一郎は、夢を分かち合えるかもしれなかった次の世代でもありました。喪失の意味が、ただの弟子の死にとどまらないことが、この回でじわりと伝わってきます。

政春は大阪へ向かい、葬儀に参列する決意を固めます。弟子の死と向き合うことが、止まりかけていた夢を再び動かす契機になっていきます。

結婚の喜びの直後に訃報を置く構成は、人生の浮き沈みを一週間に凝縮した脚本の選択に見えます。

第108回(2月7日・土)原酒を口にした政春がウイスキーを誓う

第108回は、悲しみが新たな決意へ転じる週の締めくくりです。英一郎の葬儀で、政春は弟子の遺したものに触れます。

英一郎が仕込んだ原酒

葬儀に参列した政春は、英一郎が生前に仕込んでいたウイスキーの原酒を口にします。若くして逝った弟子が、確かにウイスキーと向き合っていた証がそこにありました。鴨居欣次郎からは、英一郎が政春を意識しながらウイスキーを手がけていたことが語られます。ライバルであり師弟でもあった関係の重みが、原酒の味とともに政春の胸に迫ります。

一杯の原酒は、弟子が遺した時間そのものでした。政春がその味を確かめる場面は、悲しみと敬意が入り混じる第18週の核心です。喪失の痛みが、かえってウイスキーへの思いを研ぎ澄ませていきます。誰かが志半ばで倒れたとき、その思いを継ぐ者がいる。政春が原酒を口に運ぶ姿には、そうした継承の重みが宿っているように映ります。

北海道でウイスキーを造る誓い

原酒を口にした政春は、北海道でのウイスキー造りをさらに強く誓います。果汁事業の出資者に対してはリンゴ製のブランデーやジュースを約束しつつ、心の奥ではウイスキーへの執念を燃やし続けます。現実の商いと、本当に造りたいものとのあいだで、政春はしたたかに前へ進もうとします。弟子の死が、止まりかけていた夢を再び押し出します。

出資者に約束したのはリンゴ製のブランデーやジュースであり、表向きは果汁会社のままです。それでも政春は、いずれ本物のウイスキーを造るという思いを手放しません。現実と夢の二本立てで会社を回していく覚悟が、この回で固まります。弟子が遺した原酒の味が、その覚悟の背中を押したのは間違いないでしょう。

返品の山から始まり、結婚、訃報、そして誓いへ。浮き沈みの激しい一週間が、政春を次の決断へと導いていきます。第18週は、男女の縁が結ばれる甘さと、弟子を喪う痛み、そしてウイスキーへの誓いという三つの感情で幕を閉じます。次の週からは、この誓いがどう形になっていくのかが描かれていきます。

弟子の原酒を味わう場面は、後のニッカウヰスキー誕生へつながる伏線として語り継がれているようです。

『マッサン』第18週のネタバレまとめ

第18週「遠くて近きは男女の仲」では、北海道果汁のリンゴ汁にカビと白濁が見つかり、返品が相次いで政春が負債を抱えます。同じ頃ハナに縁談が持ち込まれ、動揺する俊夫の恋心をエリーが見抜きます。すれ違いの末にハナが告白し、俊夫がプロポーズして結婚が決定します。返品されたリンゴ汁はエリーの提案でアップルゼリーへ生かされます。祝いの席を準備する中、大阪から鴨居英一郎が心臓発作で急逝した訃報が届きます。葬儀で政春は英一郎が仕込んだ原酒を口にし、北海道でのウイスキー造りを改めて強く誓います。喜びと悲しみが交錯し、夢が再び動き出す一週間です。

『マッサン』第18週──物語の読みどころ

第18週の読みどころは、サブタイトル「遠くて近きは男女の仲」が、俊夫とハナだけの言葉ではない点だと思います。いつも衝突する二人が結ばれる甘さの裏で、政春と英一郎という師弟もまた、ライバルとして遠くにありながら、ウイスキーへの思いで近くつながっていました。その近さが、弟子の突然の死で痛みに変わります。果汁事業の挫折を描きながら、最後に原酒一杯で夢を再点火させる構成は、史実のニッカウヰスキー創業へ向かう助走として置かれているのかもしれません。喜びと喪失を同じ週に詰め込むことで、政春の決意の重みが際立ちます。返品やアップルゼリーといった生活の細部まで描き込む丁寧さも、この週の味わいを深めています。

結婚と訃報を同じ週に置く構成は、人の縁の儚さと強さを同時に見せる狙いだったように感じられます。
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