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『らんまん』第5週「キツネノカミソリ」ネタバレあらすじ感想

NHK連続テレビ小説『らんまん』の第5週「キツネノカミソリ」は、万太郎(神木隆之介)が高知・佐川での日々に別れを告げ、植物学の道へ踏み出す決意を固める高知編のクライマックスだ。第21回から第25回(2023年5月1日〜5日放送)、演説会での逮捕から竹雄の告白、そして春の旅立ちまでを各話詳述する。

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目次

『らんまん』第5週「キツネノカミソリ」のあらすじ(俯瞰)

第5週は万太郎が早川逸馬(宮野真守)の演説会に参加した場面から始まる。突然の警官隊乱入で万太郎が収監され、タキ(松坂慶子)らが救出に動く。解放された帰路で万太郎は橙色に燃えるキツネノカミソリを発見し、植物への情熱が再燃する。峰屋に戻った万太郎と綾(佐久間由衣)はタキに正直に「自分たちの進む道」を告げる。綾は婿取りを望み峰屋を守ると宣言し、万太郎は植物学のために東京に行かせてほしいと訴える。第25回では竹雄(志尊淳)が綾に秘めてきた想いを告白し、春の到来とともに万太郎が東京へと旅立つ。

第21回(5月1日・月曜)演説会への参加、そして逮捕

第5週の幕開けとなる第21回は、万太郎と綾がそれぞれ「自分の道を選ぶ」と誓い合うところから始まり、波乱の展開へと進む。

万太郎と綾、互いの自由を誓い合う

佐川に帰る前に、万太郎は綾に「自由に生きてほしい」と告げる。ジョン万次郎の言葉「人の一生は短い、後悔はせんように」が万太郎の中で完全に消化されており、それが兄から妹への言葉に変わっている。綾も「自分の選んだ道を生きる」と答え、万太郎・綾・竹雄の三人が今日から一人ひとりの道を行くことを静かに確認し合う。佐久間由衣の演技は、強がりながらも胸に何かを抑えている綾の複雑さを丁寧に示した。

早川逸馬の演説会、警官隊が乱入

三人が逸馬の演説会に参加したところで、警官隊が演説会場に乱入する。明治政府は自由民権運動の集会に対し、「集会条例」(1880年制定)に基づいて取り締まりを行っていた。史実として、高知では1880年代に複数の自由民権集会が警官によって強制解散させられた記録がある(出典:高知県立歴史民俗資料館)。ドラマはこの史実的背景を使い、万太郎が無実のまま逮捕されるという展開を作っている。

「集会条例」(明治13年制定)は政治的集会を厳しく制限した法律で、無届けの集会・演説は即座に取り締まりの対象になった。自由民権運動が盛んだった高知では1880〜1885年に数十件の集会弾圧事例が記録されている。

第22回(5月2日・火曜)収監・取り調べ、タキが警察署へ

第22回は第5週最高視聴率15.3%を記録した。収監された万太郎への取り調べと、タキが高知の警察署へ乗り込む緊張感が並走する。

逸馬への圧力と万太郎のいる収監所

収監された逸馬(宮野真守)は厳しい取り調べを受ける。警察側は万太郎を「逸馬の仲間」として自白を求めるが、万太郎は誤って巻き込まれただけだ。万太郎が取り調べの部屋に連れて行かれる場面では、政府の力が市民の個人の生活を一瞬で変える暴力性が静かに描かれている。万太郎の「わしは植物を研究したかっただけじゃ」という反発は、「学問の自由」というドラマの根底にある主題を言葉にした瞬間でもある。

タキと竹雄が高知の警察署へ──家族の連帯

収監の知らせを受けた竹雄がタキに報告すると、タキは即座に「行くぞ」と立ち上がる。松坂慶子演じるタキが怒りを抑えながら警察署に向かう姿は、第22回の名場面として放送後に多くのファンが語った(出典:Filmarks、2023年)。タキにとって万太郎は峰屋の跡継ぎであり、孫であり、愛情の対象だ。孫を守るために制度の壁に向かうタキの姿は、「峰屋という共同体の強さ」を示している。

朝ドラの祖母キャラクターは守旧派として描かれることが多いが、タキ(松坂慶子)は伝統を守りながらも孫を守ることに躊躇しない。第22回のタキの行動は、本作における「タキは万太郎の敵ではない」という関係性を強調している。

第23回(5月3日・水曜)キツネノカミソリとの出会い──タキへの告白

第23回は、第5週全体のタイトルを冠する植物「キツネノカミソリ」が万太郎の目の前に現れる場面から始まる。

帰路でキツネノカミソリを発見する

釈放されて佐川への帰路につく万太郎が、山道の脇に橙色の炎のような花を見つける。キツネノカミソリ(狐の剃刀・Lycoris sanguinea)はヒガンバナ科の多年草で、日本固有種だ。花言葉は「妖艶」「情欲」。ドラマの第5週タイトルがこの花に充てられた理由は、万太郎の「植物学への情熱」という炎の比喩として機能していることにある。史実として、ヒガンバナ科の花は晩夏(8〜9月)に咲くが、ドラマは5月初旬の高知の山道にこの花を置いている。これは季節を意図的にずらした演出と解釈できる(出典:複数の植物解説サイト)。

タキへの正直な告白──「植物の道に進みたい」

峰屋に戻った万太郎と綾はタキに向き合う。「植物の研究はやめる」という嘘を撤回し、万太郎は「植物の道に進むために東京に行かせてほしい」とタキに伝える。綾は「婿をとって峰屋を守りたい」と懇願する。タキはすぐには返事をしない。第23回は人物の告白と問いかけで幕を閉じる。峰屋の存続と万太郎の夢が交わる問い──「どちらを選ぶか」ではなく「両方を生かす道はあるか」──をタキが一晩かけて考える形で次回へ続く。

第24回(5月4日・木曜)綾の懇願と万太郎の熱弁

タキへの説得が続く第24回。万太郎と綾がそれぞれの言葉でタキに向き合う緊張感のある回だ。

綾「婿をとらせてほしい」

綾の「婿をとりたい」という申し出は、タキにとって想定外だった。峰屋の後継者問題を万太郎で解決しようとしていたタキの計画が、綾の言葉で別の可能性を見せ始める。綾が婿をとるなら峰屋の血統は守られ、万太郎は植物学の道に進める。しかしタキには「本当に綾に峰屋が守れるか」という不安もある。佐久間由衣の演技は、懇願しながらも揺るがない意志を持つ綾の複雑な感情を表現しており、第24回の柱になっている。

万太郎「植物の道に生きる」──一世一代の弁論

万太郎はタキに植物学の道への情熱を語り続ける。「日本中の植物に名前をつけたい」「誰も知らない植物を見つけ、世界に届けたい」。神木隆之介はこの場面を、熱量は高いが必死であることを隠せない万太郎の若さとして演じており、「らんまん第24回」はのちに「万太郎が自分の夢を初めて言語化した回」として語られる(出典:ORICON NEWS、2023年5月)。

史実の牧野富太郎は1884年(明治17年)、22歳で上京し東京帝国大学植物学教室に単身で乗り込んだ。正規の学生でなく「無許可見学者」として図書室や標本室を使い続けた姿勢は、万太郎が「東京に行かせてほしい」と訴える場面の原型だ。

第25回(5月5日・金曜)竹雄の告白、そして春の旅立ち

高知編を締めくくる第25回は、竹雄が綾への秘めていた想いを打ち明け、春の到来とともに万太郎が東京へ旅立つ感動の回だ。

竹雄の決意──万太郎に「ついていかなくて良い」と言われて

万太郎が竹雄に「東京にはついてこなくて良い」と告げる場面から第25回は始まる。幼い頃から万太郎を支え続けた竹雄にとって、この言葉は「置いていかれる」という衝撃だった。タキに「自分で決めたら良い」と言われた竹雄は、自分の気持ちを見つめ直す。そして峰屋に残る綾のもとへ向かい、ずっと秘めていた「綾への想い」を告げる。志尊淳の演技は、告白の場面の緊張と解放を繊細に表現した。

春、万太郎が東京へ旅立つ

第25回の最後、春の景色の中で万太郎が東京へ向けて歩み出す。「高知編」のすべての物語が、この旅立ちのために積み上げられていた。蘭光先生の「自然を見ることをやめるな」、ジョン万次郎の「後悔はせんように」、そして寿恵子との出会いの予感が万太郎の一歩に凝縮されている。神木隆之介が「行ってきます」と言い残す場面は、2023年5月5日の放送後に「高知編の最良のラスト」として視聴者の間で語り継がれた(出典:Filmarks、hublog.net、2023年)。

『らんまん』第5週「キツネノカミソリ」ネタバレまとめ

  • 万太郎と綾・竹雄が「自分の道を選ぶ」と誓い合う(第21回)
  • 逸馬の演説会に参加した万太郎が、警官隊の乱入で収監される
  • 明治政府の集会条例(1880年制定)による取り締まりという史実的背景
  • 第22回でタキと竹雄が高知の警察署へ乗り込む(視聴率15.3%・第5週最高)
  • 釈放された帰路で万太郎がキツネノカミソリ(橙色の花・ヒガンバナ科)を発見(第23回)
  • キツネノカミソリの花言葉「妖艶」が万太郎の情熱の比喩として機能
  • 峰屋に戻り、万太郎と綾がタキに正直な気持ちを告白(第23回)
  • 綾が「婿をとって峰屋を守る」と懇願、タキを揺さぶる(第24回)
  • 万太郎が「日本中の植物に名前をつけたい」と一世一代の弁論をタキへ(第24回)
  • 竹雄が「東京についていかなくて良い」と言われ自分の気持ちを見つめ直す(第25回)
  • 竹雄が綾への秘めた想いを告白(第25回)
  • 春・万太郎が東京へ旅立ち「高知編」が完結(第25回)

第5週の脚本の選択──高知編の締めくくりに「収監」を置いた意図

脚本家・長田育恵は第5週の演説会逮捕という展開を、「万太郎が外の力に初めて直接さらされる経験」として構成した意図があると考えられる。第1週〜第4週を通じて、万太郎が対峙してきたのは「峰屋という内の世界」の制約だった。第5週で初めて「国家権力という外の力」が万太郎の行動を直接に制限する。この転換が、「これからは東京という外の世界で生きる」という第25回の旅立ちへの準備として機能している。

また、竹雄の告白という展開を高知編の締めとして配置した点も特徴的だ。万太郎の物語は常に「一人では成り立たない」という構造で書かれており、竹雄が「綾への想いを選ぶ」ことで、万太郎の物語の「相方」が変わる(東京では別の人物が支えることになる)という構造の転換を、告白という形でドラマ的に完結させている。長田育恵は本作について「植物と同じように、人は関係の中でしか育たない」という趣旨の発言をしている(出典:NHK公式インタビュー、2023年)。

本作の脚本家・長田育恵は、NHK大河ドラマ「どうする家康」(2023年)の特集企画でも名前が挙がった実力派だ。朝ドラでの「植物×人生」という構造は、同じく史実の人物を軸にした作品ながら、題材への深い調査に基づいた独自のアプローチとして評価されている。

第5週のご当地・文化・モデル──キツネノカミソリの「炎」と高知の色

第5週のタイトル植物・キツネノカミソリ(Lycoris sanguinea)は、日本固有のヒガンバナ科の多年草だ。橙色の花が8〜9月に咲き、細長い花びらが上向きに広がる姿がひときわ目を引く。「キツネノカミソリ」という名前は「葉の形が剃刀のように細い」ことと、「キツネに化かされたように咲いている」という民間の言い伝えに由来する(出典:牧野植物園公式・植物解説)。

史実の牧野富太郎もヒガンバナ科の植物を精力的に調査しており、Lycoris属の分類には深く関わった。ドラマが5月(実際の開花期は8〜9月)に設定しているのは、「万太郎の旅立ち」という季節感(春)を優先した演出的選択だ。現実の植物の開花時期をドラマの人生の節目と合わせるのではなく、植物の「語るべき意味」を選んで配置するという手法は本作の脚本の特徴の一つとして指摘されている。

高知・佐川は本来四月から五月にかけてツツジや新緑が映える土地だ。万太郎が旅立つ「春の高知」という景色は、ロケが行われた高知県佐川町の実際の山野を使って撮影されており、土佐の光と緑の豊かさが画面に刻まれた(出典:高知新聞、2023年5月)。

第5週の登場人物・キャスト

レギュラー・主要キャスト

役名俳優第5週での動き
槙野万太郎神木隆之介演説会で逮捕→釈放→タキへ告白→東京旅立ち
竹雄志尊淳「東京に来なくて良い」と言われ苦悩→綾へ告白
槙野綾佐久間由衣「婿をとって峰屋を守る」と宣言。竹雄の告白を受け取る
槙野タキ松坂慶子警察署に乗り込み万太郎を救出。二人の告白を受け止める
早川逸馬宮野真守演説会で逮捕、厳しい取り調べを受ける

第5週の名シーン・名セリフ

第5週の語り草となった場面は3点ある。

第22回のタキが警察署へ乗り込む場面。松坂慶子の「孫を返せ」という気迫のこもった演技は、放送後Xでも話題になり、「峰屋の祖母・タキの覚悟」として記憶される(出典:まんたんウェブ、2023年5月)。

第24回の万太郎の弁論「日本中の植物に名前をつけたい」。神木隆之介がタキを前に植物への情熱を言葉にするこのシーンは、高知編全体を通じて積み上げた万太郎の成長が一気に言語化される場面だ。

第25回の竹雄の告白と、万太郎の旅立ちのラストシーン。「高知編の完結」として本作の序章を締めくくるこの回は、後年も「らんまん第25回」として単独で検索される頻度が高く、過去作の配信視聴者にとっても入口になっている(出典:hublog.net「らんまん第5週振り返り」)。

第5週の視聴率

『らんまん』第5週「キツネノカミソリ」の視聴率(関東地区・NHK発表)は、最高値が第22回(5月2日・火曜)の15.3%。ゴールデンウィーク中の放送(5月3〜5日が祝日)が視聴率に影響し、前週の週平均15.8%からやや落ち着いた水準になった。ただし「らんまん」はNHKプラスを含めた総合的な視聴数では高い数字が続いており、配信での後追い視聴が多かった週として分析されている。

次週・第6週「ドクダミ」の見どころ

第6週「ドクダミ」では、万太郎が東京に到着し、下宿を断られるなど都市の現実に直面する。竹雄が東京に来ず、万太郎が一人で東京の生活を切り開く週となる。寿恵子との再会も第6週の楽しみの一つだ。高知の自然から、東京の都市へと舞台が完全に移行する、新章の開幕となる。

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【出典】
・NHK「らんまん」公式サイト https://www.nhk.or.jp/ranman/
・高知県立歴史民俗資料館公式「自由民権運動・集会条例の歴史」
・ORICON NEWS「らんまん第5週振り返り・高知編完結」2023年5月6日
・MANTANWEB「らんまん第5週振り返り、旅立ちの日」2023年5月5日
・牧野富太郎記念館(高知県立牧野植物園内)公式 https://www.makino.or.jp/
・Filmarks「らんまん」レビュー2023年
・hublog.net「らんまん第25回・高知編完結」2023年5月
・高知新聞「らんまん高知ロケ・佐川の春を撮る」2023年5月
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