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『マッサン』第7週「触らぬ神に祟りなし」ネタバレあらすじ感想

『マッサン』週別あらすじ・ネタバレ

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目次

『マッサン』第7週のあらすじ(俯瞰)

『マッサン』第7週「触らぬ神に祟りなし」は、第37回から第42回までの6話で描かれます。家賃が払えなくなった亀山政春とエリーが、家主・野々村吾郎の娘たちへ英語を教える代わりに支払いを猶予してもらうところから物語が動き出します。エリーは英語教室で再会した幸子が、継母の由紀子を「お母さん」と呼べずにいる事情に気づきます。週の中盤では鴨居欣次郎がエリーに通訳を頼み、政春が雇用の誘いを断ってパン焼きで稼ぐと言い出す一幕も挟まれます。やがて野々村が由紀子との離縁を口にし、自分のせいだと感じた幸子が家を飛び出してしまいます。エリーは由紀子の誕生日パーティーを提案し、ばらばらになりかけた一家の絆を取り戻そうと奔走していきます。亡き実母への想いと、いま隣にいる人への愛情は両立できる——その一点を軸に、一週間が静かに積み上がっていきます。

第37回(11月10日・月)家賃の代わりにエリーが英語を教えることになる

第7週の幕開けは、亀山家の苦しい台所事情から始まります。家賃を滞納してしまった政春とエリーが、家主・野々村吾郎のもとを訪ねる回です。

家賃猶予と引き換えの英語指導

政春とエリーは、滞った家賃をしばらく待ってもらえないかと野々村に頭を下げにいきます。そこで野々村が出した条件が、娘たちへの英語指導でした。エリーは教会の英語教室で、すでに幸子とナツの姉妹と顔を合わせていました。再会の縁もあって、エリーは家賃の猶予と引き換えに二人へ英語を教える話を快く引き受けます。政春にとっては首の皮一枚つながった思いだったはずです。

「由紀子さん」という呼び方への違和感

引き受けたエリーが気づいたのは、幸子が継母の由紀子を「お母さん」ではなく「由紀子さん」と呼んでいることでした。その距離のある呼び方に、エリーは野々村家に何か事情があると敏感に感じ取ります。深入りしようとするエリーを、政春は「触らぬ神に祟りなし」とばかりに諫めます。この週のサブタイトルがそのまま政春の本音に重なる構図です。とはいえエリーの性格からして、見て見ぬふりはできそうにありません。

この週で間借り先の野々村家が物語の主舞台になる背景には、政春とエリーが大阪・住吉に居を構えた頃の生活の不安定さがあります。本場のウイスキー造りという大きな夢を抱えながらも、まずは目の前の家賃をどう工面するかという暮らしの現実が、二人の肩にのしかかっています。その現実が、結果として野々村家の人々との濃い縁を生んでいきます。エリーにとって英語は、異国で生きる自分が日本の人々と関わるための数少ない手立ての一つでもありました。教えるという行為を通じて、エリーは少しずつこの土地に根を下ろしていきます。

家賃という現実的な問題から始まった縁が、よその家族の心の問題へと入り込んでいきます。次回、エリーは幸子の心に一歩近づいていきます。

週タイトルの「触らぬ神に祟りなし」を政春のセリフに重ねる導入だそうで、ことわざが物語の伏線になっている構成が面白いところです。

第38回(11月11日・火)エリーが自身の経験を語り幸子と心を通わせる

第38回は、エリーと幸子の距離がぐっと縮まる回です。英語の授業を入り口に、二人の間に静かな信頼が芽生えていきます。

自宅レッスンで明かされる幸子の本心

エリーは自宅で幸子とナツに英語を教え始めます。机を挟んだやり取りのなかで、エリーは自分自身の生い立ちや経験を幸子に語っていきます。異国の地で暮らすエリーだからこそ語れる言葉が、幸子の固く閉じた心に少しずつ届いていきます。幸子もまた、ぽつりぽつりと胸の内を口にするようになります。

3年前に亡くした実母への想い

幸子が由紀子を受け入れられずにいた理由は、3年前に亡くなった実の母への想いにありました。本当は由紀子のことが大好きなのに、亡き母を裏切るようで「お母さん」と呼べない——その葛藤を抱えていたのです。好きだからこそ素直になれないという心理は、子どもの幸子にとって重い荷物でした。エリーはその気持ちを頭ごなしに否定せず、まず受けとめます。

エリーが幸子に語った経験には、海を渡って日本へ来たエリー自身の歩みが重なります。生まれ育った場所を離れ、言葉も文化も違う土地で暮らしてきたエリーは、心の置きどころに迷う気持ちを誰よりも知っています。だからこそ、幸子の「好きなのに素直になれない」という感情を、子どもの我がままとして片づけることをしませんでした。同じ目線まで降りて言葉を交わすエリーの姿勢が、幸子の警戒を少しずつほどいていきます。授業という何気ない時間が、二人にとっては心を開く場へと変わっていくところに、この回の静かな見どころがあります。

幸子の本心が見えてきたことで、野々村家の問題の核心がはっきりしてきます。次回、物語は政春のウイスキーへの執着にも光が当たります。

第39回(11月12日・水)鴨居の通訳依頼を断りパン焼きで稼ぐと言い張る

第39回は、野々村家のドラマと並行して、政春のウイスキーへの意地が描かれる回です。鴨居欣次郎からの誘いが、政春の不器用さを浮き彫りにします。

鴨居からの通訳依頼

英語指導から2週間ほどが過ぎたころ、鴨居欣次郎がエリーに通訳の仕事を頼みにきます。スコットランドから招いたウイスキー製造技師のための通訳でした。エリーはこの機会を逃すまいと、いっそ政春を鴨居に雇ってもらえないかと持ちかけます。ウイスキーの現場に戻れるなら、政春にとってこれ以上の話はないように見えます。

意地を張ってパン焼きを始める政春

ところが政春は、鴨居に雇われる話をきっぱり断ります。そして庭先で岩を積み、パンを焼き始めるのです。その収益を元手に、自分の手でウイスキーを造ると言い張ります。プライドの高さと夢への一途さが、現実的なエリーとぶつかる場面でもあります。エリーから見れば遠回りに映るやり方ですが、政春には政春なりの筋が通っているのでしょう。

政春のモデルとされる竹鶴政孝は、広島の造り酒屋「竹鶴酒造」に生まれ、摂津酒造の社員としてスコットランドへウイスキー造りを学びに渡った人物です。本場仕込みの技術を持ち帰りながらも、それを発揮する場をなかなか得られなかった時期があったと伝えられています。ドラマで政春が鴨居の誘いをすぐに受けず、自分の手で道を切り開こうとする姿は、雇われるより自分の理想を貫こうとした史実の不器用さと響き合っているように見えます。岩を積みパンを焼いてまで元手を作ろうとする政春の遠回りは、夢に対する一途さの裏返しなのでしょう。

家族の問題に向き合うエリーと、夢に意地を張る政春。二人の歩調がずれたまま、物語は野々村家の山場へと向かいます。

鴨居欣次郎のモデルとされるのはサントリー創業者の鳥井信治郎で、実際にスコットランド帰りの技師を起用する判断をした人物だと伝えられています。ドラマの通訳依頼にも史実の影が感じられます。

第40回(11月13日・木)野々村が離縁を告げ幸子が家を飛び出す

第40回は、第7週の感情が大きく動く回です。野々村家の問題が、ついに離縁という形で表面化します。

突然の離縁宣言

野々村は、由紀子と離縁すると幸子に告げます。娘が継母になじめずにいる現状を見かねての決断だったのかもしれません。しかし当の幸子にとっては、まったく望まない結末でした。自分が由紀子を「お母さん」と呼べなかったせいで家庭が壊れてしまう——そう感じた幸子は、責任を一身に背負い込んでしまいます。

泣きながら家を飛び出す幸子

追い詰められた幸子は、泣きながら一人で家を飛び出します。エリーは野々村と幸子、双方の気持ちを丁寧に受けとめます。そして、亡き実母の思い出と、いま隣にいる由紀子との絆は両立できるのだと伝えていきます。どちらかを選ばなくていい、両方を大切にしていいというメッセージは、エリー自身の人生観とも重なります。

エリーが幸子に伝えた「両立できる」という考えは、この回の核心です。亡き母を心に持ち続けることと、いま隣にいる由紀子を愛することは、どちらかを捨てる選択ではない——その一点を、エリーは押しつけがましくならない言葉で差し出します。離縁という大人の決断が、かえって子どもの幸子を追い詰めてしまった皮肉も、この回はしっかり描いています。野々村の決断は娘を思ってのものでしたが、その思いが幸子には「自分のせいで家庭が壊れる」という罪悪感として伝わってしまいました。すれ違う家族の心を、エリーがどう結び直すのかへと焦点が移っていきます。

家族が崩れる寸前で、エリーは一つの提案を温め始めます。次回、その提案が形になっていきます。

実母を想うあまり継母を受け入れられない子どもの心は、朝ドラでもたびたび描かれてきたテーマだそうで、幸子の涙に胸を打たれたという声が多かったようです。

第41回(11月14日・金)エリーが由紀子の誕生日パーティーを提案する

第41回は、エリーの行動力が家族を動かし始める回です。崩れかけた絆を、祝いの場で結び直そうとします。

誕生日パーティーという一手

エリーは、由紀子の誕生日パーティーを開くことを提案します。家族がもう一度同じテーブルを囲む口実として、誕生日はうってつけでした。政春もこれに応え、パンを焼くための窯を作り始めます。夫婦それぞれのやり方で、野々村家のために手を動かしていきます。一方の野々村は、仕事を理由にパーティーを欠席すると言い出します。エリーは仕事と家庭のどちらが大切なのかと、野々村に問いかけます。

「無理に忘れなくていい」というエリーの言葉

妹のナツが、亡き実母の写真を焼いて捨てようとする場面もこの回に描かれます。継母を「お母さん」と呼ぶために、実母を忘れなければいけないと思い込んでいたのです。それを見たエリーは、無理に忘れる必要はないと伝えます。実母を心にしまったまま、由紀子のことも「お母さん」と呼んでいい——その言葉は、姉妹の肩の荷をそっと下ろすものでした。

仕事を理由に家庭の場から逃げようとする野々村への問いかけは、ウイスキーという仕事に没頭する政春への問いとも、どこかで重なって聞こえます。エリーは家庭をないがしろにしてよいとは考えない人物として描かれており、その価値観がこの回ではっきりと言葉になりました。写真を焼こうとするナツを止める場面は、第7週でも特に静かな名場面と言えそうです。実母を消さなければ前へ進めないと思い込んでいた幼い心に、エリーは「忘れなくていい」という許しを与えます。記憶を抱えたまま新しい愛を受け入れていい——その包容が、姉妹の張りつめた気持ちをやわらげていきます。

パーティーの準備が整い、いよいよ当日を迎えます。次回、家族の絆が結び直される瞬間が訪れます。

第42回(11月15日・土)パーティーで幸子が由紀子に歩み寄る

第7週の締めくくりとなる第42回は、誕生日パーティー当日です。一週間積み上げてきた感情が、一つの場面に結実します。

朝からパンを焼く政春とご近所の集い

パーティー当日、政春は朝からパン焼きに大忙しです。手作りのパンとともに、ご近所の人々が亀山家に集まってきます。やがて由紀子がナツを連れて姿を見せますが、肝心の野々村は不在のままでした。仕事を理由に欠席すると言っていた父の姿がないことが、その場にわずかな緊張を残します。

手作りブーケを持って近づく幸子

エリーが歌声で由紀子の誕生日を祝うなか、幸子は手作りのブーケを手に、由紀子のもとへとそっと近づいていきます。「由紀子さん」としか呼べなかった幸子が、継母へ歩み寄っていく——その一歩に、この一週間のすべてが込められています。亡き母への想いを抱えたまま、いま目の前にいる人を大切にしていい。エリーが伝え続けたメッセージが、幸子の小さな行動となって結ばれます。

政春が朝から焼いたパンが、ご近所を集める求心力になっている点も見逃せません。ウイスキーの元手を作るために始めたパン焼きが、結果として人を呼び、家族再生の場を支えています。政春の意地と、エリーの優しさが、別々のかたちで同じ祝いの席につながっているわけです。野々村が最後まで姿を見せるのかどうかに含みを残しつつ、幸子の一歩で週を締める構成は、続きへの余韻をしっかり残します。亡き母への想いを抱えたまま、いま目の前にいる人を大切にしていい。エリーが伝え続けたメッセージが、幸子の小さな行動となって結ばれます。

家賃の問題から始まった一週間は、よその家族の絆を取り戻すエリーの奮闘で幕を閉じます。政春のウイスキーへの意地も、静かに次週へと引き継がれていきます。

幸子が由紀子に歩み寄るラストは、週タイトル「触らぬ神に祟りなし」を裏返すような着地で、踏み込んだエリーだからこそ家族を救えたという読み筋になっているようです。

『マッサン』第7週のネタバレまとめ

『マッサン』第7週「触らぬ神に祟りなし」は、第37回から第42回にかけて、家主・野々村家の家族再生を軸に進みました。家賃猶予の条件として娘たちに英語を教えることになったエリーは、幸子が継母・由紀子を「由紀子さん」と呼ぶ事情に気づきます。3年前に亡くした実母への想いから素直になれない幸子に、エリーは自らの経験を重ねて寄り添いました。一方で政春は鴨居からの雇用話を断り、パン焼きで稼いでウイスキーを造ると意地を張ります。野々村の離縁宣言で家を飛び出した幸子のために、エリーは誕生日パーティーを提案。当日、幸子が手作りブーケを手に由紀子へ歩み寄るところで週は幕を閉じました。

『マッサン』第7週──物語の読みどころ

第7週の脚本は、ウイスキー造りの本筋をあえて脇に置き、よその家族の物語にエリーを投じる構成を選んでいます。亡き母を想うあまり継母を拒んでしまう幸子の葛藤は、「どちらかを選ばなくていい」というエリーの価値観でほどかれていきます。異国で生きるエリーだからこそ、二つの想いを抱えて生きる難しさを語れるのでしょう。週タイトルの「触らぬ神に祟りなし」は当初の政春の本音ですが、結末ではその逆——踏み込んだからこそ家族が救われたという反転になっている気がします。鴨居の通訳依頼を断りパン焼きで稼ぐと言い張る政春の意地が同じ週に挟まれることで、現実と夢のあいだで揺れる亀山家の姿も立体的に見えてきます。鴨居欣次郎のモデルとされる鳥井信治郎と、政春のモデルとされる竹鶴政孝は、商売として成り立つ酒を求める姿勢と本場仕込みの理想を貫く姿勢という、対照的な二人だったと伝えられています。第7週で政春が雇用話をすぐに受けなかった描写は、その史実上の温度差を先取りしているようにも読めて、後の二人の関係を知る視聴者にはひときわ味わい深い回になっているのかもしれません。

主役二人がウイスキーから少し離れ、間借り先の家族を描く第7週は、政春とエリーの人柄をじっくり見せる「溜め」の週になっていたようです。
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