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『らんまん』第4週「ササユリ」ネタバレあらすじ感想

NHK連続テレビ小説『らんまん』の第4週「ササユリ」は、東京から帰った万太郎(神木隆之介)が峰屋の重責と植物学の夢の間で揺れ動く姿を描く。第16回から第20回(2023年4月24日〜28日放送)を各話詳述し、実在の人物・ジョン万次郎(中浜万次郎)が万太郎に与えた言葉の重みを史実と照らして解説する。

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目次

『らんまん』第4週「ササユリ」のあらすじ(俯瞰)

東京から戻った万太郎は、祖母・タキ(松坂慶子)に「植物の研究はやめる」と告げる。峰屋の当主として生きることを宣言したように見せながら、竹雄(志尊淳)だけはその嘘を見抜いている。綾(佐久間由衣)は家を飛び出して高知の自由民権運動の集会に参加し、リーダー・早川逸馬(宮野真守)と出会う。万太郎も追いかけるうちに声明社の演説に引き込まれ、逸馬の導きでジョン万次郎(中浜万次郎)と対面する機会を得る。「人の一生は短い、後悔はせんように」という言葉が万太郎の胸に刻まれ、第20回の結末で万太郎は大きな決断へと向かう。

第16回(4月24日・月曜)「植物の研究はやめる」──万太郎の嘘

東京から帰った万太郎が、タキに嘘をつく第16回。視聴率16.2%を記録し、第4週の幕開けを告げる回だ。

峰屋への報告と「やめる」宣言

万太郎は博覧会の成果を報告する席で、タキたちに「植物の研究はもうやめる」と告げる。言葉は淡々としているが、その目には光が宿っていない。タキは安堵し、「さすが峰屋の当主じゃ」と評価する。しかし竹雄(志尊淳)は万太郎の横顔を見て、すぐに本心を察する。「あんた、嘘をついちゅうやろ」と竹雄が万太郎に問いかける場面は、二人の間の深い信頼関係を数行の台詞で凝縮して見せる。

ササユリの比喩が示す万太郎の内側

第4週のタイトル「ササユリ」は、万太郎が山中で見つける笹の間に咲く百合だ。山の陰で静かに咲きながら、誰にも見つかっていない状態のササユリは、この週の万太郎の内側の状態と重なる。「本当の気持ちを隠して生きる」というモチーフが植物のイメージで語られる手法は、本作が全編を通じて用いる構造であり、第16回の竹雄との会話でこの週の隠れたテーマが浮かぶ。タキは万太郎の「やめる」という言葉を信じようとする。信じたい気持ちと、信じきれない直感の間でタキも揺れており、松坂慶子の演技がその複雑さを表情の細部で示している。

「峰屋の当主」という役割の重さ

第16回で万太郎が「やめる」と言わなければならなかった理由は、峰屋という家業と一族に対する責任感だ。万太郎はタキや使用人たちが自分に寄せる期待の重さを感じている。嘘をつくことで、万太郎はその期待を一時的に引き受ける。しかし竹雄だけが「万太郎は嘘をついている」と知っており、その知識を抱えたまま峰屋の日常に戻ることを選ぶ。「嘘を黙って見守る竹雄」という構図は、峰屋の人間関係の中でいかに竹雄が特別な位置を占めているかを第16回で改めて示している。

ササユリ(笹百合・Lilium japonicum)は日本固有のユリで、近畿から九州の山地に生える。花色は淡紅白色で、牧野富太郎は明治〜大正の調査でも多数のユリ属を記録している。

第17回(4月25日・火曜)綾が家を飛び出す──声明社との出会い

第17回は綾を中心に据えたエピソードだ。峰屋に縛られてきた綾が、自らの意志で動き始める転換点となる。

綾が幸吉のいる村へ

酒造りの情熱を内に秘めながらも「女だから」と抑えられてきた綾は、タキとの衝突をきっかけに峰屋を離れる。向かった先は蔵人・幸吉(佐藤緋美)が暮らす村だった。幸吉と綾の間には、酒造りという共通の情熱を通じて育まれた親しさがある。この行動はドラマの進行上「単なる家出」ではなく、綾が「自分の人生を自分で選ぶ」という主体性を初めて行動で示した重要な一歩だ。

万太郎も高知へ──声明社の演説に引き込まれる

綾を探して高知に向かった万太郎は、自由民権運動の政治結社「声明社」のリーダー・早川逸馬(宮野真守)と偶然出会う。逸馬の言葉は明快で、「人は自らの道を選ぶ権利がある」という主張が万太郎の耳に刺さる。自由民権運動が1880年代に高知を中心に盛んだったという史実的背景と、万太郎が直面している「峰屋当主か植物学者か」というジレンマが、この場面で重なり合う。宮野真守が演じる早川逸馬は、理想主義的な熱量と現実への洞察を兼ね備えた人物として描かれており、万太郎が「この人の言葉を聞き続けたい」と感じる理由を視聴者に納得させる演技だった。

綾と幸吉の「秘密」の場所

第17回で綾が向かった先の村では、酒造りの技法を幸吉と語り合う綾の姿が描かれる。この場面は、綾が「峰屋の酒を継ぎたい」という意志の具体的な形を見せる最初の描写でもある。幸吉との関係は恋愛的な要素を含みながらも、「酒への情熱を共有できる人間」という軸で結ばれており、佐藤緋美演じる幸吉の穏やかさが綾の決意を支える存在として機能する。

第18回(4月26日・水曜)ササユリの例えと逸馬の言葉

第18回は第4週で最高視聴率16.4%を記録した回だ。自由民権運動と万太郎の植物への情熱が交差する場面が印象的だった。

「自由」とは何かを問い続ける万太郎

逸馬は万太郎に「自由とは何だと思うか」と問いかける。万太郎は植物を採集する自由、名前をつける自由、「誰も踏み込んでいない場所へ行く自由」という言葉で答えようとする。逸馬は笑いながら「そうじゃ、それで良い」と返す。この対話は政治的な自由民権運動と個人の情熱の自由がイコールではないことを示しながら、両者の間に共鳴するものがあることを浮かび上がらせる。

ササユリのシーンが第18回の核心

万太郎が山中でササユリを見つける場面が第18回に収められている。峰屋の当主として「やめると言った」植物への情熱が、山道のかたわらに静かに咲くこの花を前にして溢れ出す。「おまんは綺麗じゃ」と万太郎が花に語りかける場面は、植物への愛が言葉以上の感情であることを示しており、第18回の視聴率が最高値に達した背景に、この場面への反応があったと考えられる(出典:mantan-web.jp、2023年4月)。

高知県は1882年(明治15年)に板垣退助が「自由党」を結成した地であり、自由民権運動の拠点だった。早川逸馬が率いる「声明社」はドラマ上の架空の結社だが、史実の「立志社」などの高知の自由民権結社をモデルにしていると考えられる。

第19回(4月27日・木曜)ジョン万次郎との対面

早川逸馬の導きで、万太郎が実在の歴史的人物・ジョン万次郎(中浜万次郎)と対面する第19回は、第4週最大の歴史絵巻だ。

ジョン万次郎という人物

中浜万次郎(1827〜1898年)は土佐(現・高知県土佐清水市)出身の漁師の子だった。1841年(天保12年)に嵐で遭難し、米国の捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助され、アメリカのフェアヘーブン(マサチューセッツ州)に連れて行かれた。アメリカで英語・数学・航海術を習得し、1851年(嘉永4年)に帰国。幕末から明治にかけて英語通訳・航海術教官として活躍し、日本語初の英会話書『英米対話捷径』を著した(出典:中浜万次郎顕彰会公式)。

万太郎への言葉──「人の一生は短い」

万次郎が万太郎に語りかける「人の一生は短い、やりたいことをやり、後悔はせんように」という言葉は、漁師の子として生まれながらアメリカで学び、幕末の変動期を生き抜いた万次郎自身の経験から出た言葉だ。万太郎はこの言葉を受け、「峰屋の当主として生きるのか、植物学の道を進むのか」という問いへの答えが自分の中で定まっていくことを感じる。万次郎の生き方は「社会が用意した道の外を歩き続けた人生」であり、万太郎が「植物学者」という既存の枠に収まらない形で生きようとすることの先例として機能している。このエピソードのために脚本家・長田育恵がジョン万次郎という実在人物を選んだことは、「自分の道を選ぶことの先人の証言」という物語的機能からして必然的な配置だったと言える。

第20回(4月28日・金曜)万太郎の決断──そして綾の決意

第4週を締めくくる第20回は、万太郎と綾がそれぞれの「自分の道」を定める決断の回だ。視聴率は15.6%(関東地区)。

万次郎が万太郎に手渡したもの

ジョン万次郎が万太郎に何かを手渡す場面が第20回に含まれている。詳細はドラマ本編を確認するべき核心だが、「遠くを見る望遠鏡」あるいは「世界への扉」を象徴するアイテムであることが複数の媒体で示唆されている(出典:40010rocco.com、2023年4月)。万次郎の生き方がそのまま万太郎への贈り物になっているという構造だ。

綾の決断と竹雄の誓い

綾は第20回で、「峰屋の酒造りを支え、自分たちで峰屋を大きくする」という方向に意志を定める。万太郎が外に出るなら綾は内を守る。この役割分担は、後の「万太郎が東京で植物学を続け、綾と竹雄が峰屋を支える」という構造の原型になる。竹雄は「万太郎のそばにも、綾のそばにもいる」と誓うが、その言葉の重さが第20回のラストに余韻を残す。第4週を通じて描かれてきた「三人それぞれの道の探索」が、第20回の結末で暫定的な形を見せる。万太郎の決意はまだタキに伝わっていないが、その決意が固まっていく過程を第4週は丁寧に描いた。

タキへの告白の準備——第5週へのブリッジ

第20回の最後では、万太郎がタキに正直に話すべき時が近いという予感が漂う。「嘘をついたまま東京には行けない」という万太郎の内面と、「タキにどう伝えるか」という現実的な課題が第5週への橋渡しとなっている。ジョン万次郎の言葉が万太郎の背中を押した事実は、単なる励ましではなく「土佐出身の英雄が『自分の道を行け』と言った」という重みを持っている。

『らんまん』第4週「ササユリ」ネタバレまとめ

  • 万太郎が帰宅後にタキへ「植物の研究をやめる」と嘘をつく(第16回)
  • 竹雄が万太郎の嘘を見抜き「本心を言えなかっただけじゃろ」と語りかける
  • 週タイトルのササユリが「隠された本心」を象徴するモチーフとして登場
  • 綾が家を飛び出し、蔵人・幸吉のいる村へ向かう(第17回)
  • 万太郎が高知で自由民権運動の結社・声明社と出会い、逸馬(宮野真守)と意気投合
  • 高知は史実でも1882年から自由民権運動が最も盛んな地だった
  • ササユリのシーンが第18回のハイライト、視聴率16.4%(第4週最高)
  • 万太郎が実在の歴史人物・ジョン万次郎(野添義弘)と対面(第19回)
  • ジョン万次郎の言葉「人の一生は短い、後悔はせんように」が万太郎の心に刺さる
  • 綾が峰屋を内側から支えると決断、竹雄が兄妹を生涯支えると誓う(第20回)
  • 週平均視聴率15.8%・最高16.4%(NHK発表・関東地区)

第4週のご当地・ロケ地──高知の自由民権運動と声明社の舞台

第4週で万太郎が引き込まれる「声明社」の演説会は、高知の自由民権運動という歴史的土壌の上に置かれている。史実として、1882年(明治15年)4月に板垣退助が高知で自由党結成を呼びかけ、その前年には「立志社」を中心とした請願運動が活発化していた。高知県は「自由民権運動発祥の地」と呼ばれ、佐川町にも運動の影響が及んでいた(出典:高知県立歴史民俗資料館公式)。

また、ジョン万次郎の出身地・土佐清水市(現・高知県)は佐川から南西へ約70kmの場所に位置する。万次郎が活躍した明治初期(1868年〜1890年代)と万太郎が生きたドラマの時代設定は重なっており、対面という設定に史実的な整合性がある。万次郎が実際に高知を訪れた記録は複数残っており(出典:中浜万次郎顕彰会)、ドラマの設定は史実の延長線上にある。万次郎は1870年(明治3年)に高知に帰郷した際、地元の要人たちと会合を持ったとされており、自由民権運動の活動家たちとの接触は十分にあり得る。

第4週の演説会シーンは高知県内でロケが行われており、当時の風景が再現されている(出典:NHKウェブサイト「らんまん」ロケ地情報、2023年)。ロケ地の一つとされる高知県中部の集落では、明治時代の民家の外観を維持した建物が使用されており、時代的なリアリティを視覚的に担保している。

ササユリ(笹百合)の自生地と高知との関係

第4週のタイトル植物・ササユリ(Lilium japonicum)は、日本固有種で近畿から九州の山地に自生する。高知県でも山地のやや乾燥した草地や林縁に見られる。ささやかに、しかし確かに咲くこの花の生態が「隠れた情熱を持つ万太郎」の比喩として機能しているのは、植物と人物を重ねる本作の語り口の核心だ。牧野富太郎も日本のユリ属を調査した記録を多数残しており、ササユリは「日本を代表する在来のユリ」として富太郎の植物記録にも登場する(出典:牧野富太郎記念館展示資料)。

第4週の登場人物・キャスト

今週の新キャラクター

役名俳優紹介
早川逸馬宮野真守声明社のリーダー。自由民権運動を牽引する政治家
ジョン万次郎(中浜万次郎)野添義弘土佐出身の実在人物。漁師から渡米、英語を習得して帰国した伝説的人物

レギュラー・主要キャスト

役名俳優
槙野万太郎神木隆之介
竹雄志尊淳
槙野綾佐久間由衣
槙野タキ松坂慶子

第4週の名シーン・名セリフ

第4週の語り草となった名場面は「ジョン万次郎と万太郎の対話」だ(第19回)。「人の一生は短い、後悔はせんように」という言葉は、漁師から渡米した万次郎の実人生そのものを凝縮したセリフであり、万太郎がその言葉を受け取る場面の重厚さは放送後の各レビューサイトで高く評価された(出典:ORICON NEWS、2023年4月)。

また第18回のササユリのシーンも名場面に数えられる。「おまんは綺麗じゃ」と花に語りかける神木隆之介の独白は、万太郎の植物への愛情が「研究」という枠を超えた「存在への共感」であることを表している。

第4週の視聴率

『らんまん』第4週「ササユリ」の視聴率(関東地区・NHK発表)は週平均15.8%、最高値は第18回(4月26日・水曜)の16.4%。前週の第3週から微増し、第4週は本作の序盤で最も安定した数字となった。第18回の16.4%は第5週終了時点での最高値でもある。

次週・第5週「キツネノカミソリ」の見どころ

第5週「キツネノカミソリ」では、万太郎と綾がタキにそれぞれの決断を告げる。万太郎が逸馬の演説会に参加して警官隊に捕まるという波乱の展開があり、最後の第25回では竹雄が綾への秘めていた想いを打ち明ける。高知編の締めくくりとなる5日間は、万太郎が植物学の道へ踏み出すためのすべての準備が整う週になる。

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【出典】
・NHK「らんまん」公式サイト https://www.nhk.or.jp/ranman/
・中浜万次郎顕彰会公式サイト
・高知県立歴史民俗資料館公式「自由民権運動の高知」
・ORICON NEWS「らんまん第4週振り返り」2023年4月29日
・40010rocco.com「らんまん第20回あらすじ」2023年4月28日
・MANTANWEB「らんまん第4週視聴率15.8%」2023年4月30日
・牧野富太郎記念館(高知県立牧野植物園内)公式 https://www.makino.or.jp/
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